味噌汁の具選んでる?定番の具わかめに秘められた栄養パワー

日本人の食事に欠かせない味噌汁。

飲むとほっとする人も多いのではないでしょうか。

みなさんは、中に入っている具をしっかり選んで食べていますか?

なんとなくで選ぶのは、もったいないことです。

インスタント味噌汁にしても、まちの定食屋にしても、具としてよく入っているのが「わかめ」です。

実はわかめには、あなどれない栄養効果がいっぱいあります。

わかめに秘められた栄養パワーと、食べるときのコツをご紹介します。

味噌汁だけでも立派な栄養食

食事のメインディッシュになることはほとんどないけれど、あるとないとでは食事の満足度が大きく変わります。

作り方はだし汁で具材を煮込み、味噌をといたらできあがりなので、いたって簡単です。

味噌は大豆を発酵させたものであり、味噌汁には味噌の栄養がしっかり溶けています。

その栄養の一つが、タンパク質です。

人の体はタンパク質が不足すると、筋力の低下や免疫力の低下が起こります。

味噌の原料の大豆は、「畑の肉」と称されるほどタンパク質が豊富です。

タンパク質を構成するアミノ酸のうち、一部は必須アミノ酸といわれ、人は体内で合成できないので、食物から摂取する必要があります。

小麦などに含まれる植物性タンパク質は、肉や魚に含まれる動物性タンパク質に比べてこの必須アミノ酸が欠如しがちです。

しかし、大豆は植物性タンパク質でありながら、その全てを含有しています。

味噌は発酵という過程を通して、タンパク質が吸収しやすいアミノ酸に分解されているため、大豆よりも効率よく体内に吸収できるのです。

そして、もう一つの栄養が乳酸菌です。

腸内環境を整えることで有名な乳酸菌は、味噌蔵や原料由来の乳酸菌が味噌には含まれており、腸内の善玉菌のサポートをしてくれます。

腸内環境を整えることで、ウィルスに負けない免疫力をつけることができるといわれています。

味噌に含まれるタンパク質と、乳酸菌がしっかり溶けだした味噌汁は、健康づくりにはずせない優秀な栄養食なのです。

簡単に作れる栄養食の味噌汁ですが、一緒に食べる具を工夫することで、自分好みの栄養効果を得られるようになります。

なかでもおすすめの具は、「わかめ」です。

味噌汁定番の具わかめに秘められたパワー

海に囲まれた島国日本では、昔から魚や海藻をよく食べてきました。

昆布やノリなど、日本食ときってもきれない海藻は多いですよね。

わかめもその一つです。

味噌汁や酢の物に加えて食べることが多いですが、どちらかというと脇役的存在に感じている人が多いのではないでしょうか。

ですが、実はそのパワーは主役級です。

血圧上昇を抑制する効果あるマグネシウムや骨形成に欠かせないカルシウム、むくみ予防効果のあるカリウムなど、多くのミネラルを含み、美容効果が期待できます。

また、水溶性の食物繊維も豊富で、コレステロールや糖質の吸収を穏やかにしたり、便秘の解消に役立ちます。

この水溶性食物繊維の一種であるフコイダンには、がん抑制作用も確認されています。

ミネラルにしても食物繊維にしても、日本人には不足しがちな栄養素です。

味噌汁の具にわかめを選んで、手軽に補給してください。

わかめをおすすめする理由がもう一つあります。

それは、その手軽な利便性です。

実はわかめには3種類ある

みなさんは「わかめ」と聞くと、どのような状態のわかめを思い浮かべるでしょうか。

乾燥させたもの、塩漬けされたもの、生の状態のものなど、それぞれ特徴があります。

味や調理のしやすさなど、お好みのわかめを見つけてください。

まず1つ目は、乾燥わかめです。

一口大に切ってから乾燥させたカットわかめと、そのままの状態で乾燥させた素干しわかめがあります。

どちらも保存性に優れ、短時間の水戻しで済むので利便性がよく、手軽に食べたい人におすすめです。

2つ目は、保存性を高めるために塩漬けされた塩蔵わかめ。

塩抜き作業が必要ではあるものの、乾燥わかめにはない風味や食感のよさがおすすめです。

3つ目が、わかめが旬を迎える春にのみ手にはいる生わかめです。

日持ちしないのが難点ですが、香も風味も食感も格別です。

手軽さや風味の良さなど、お好みに応じて選べる利便性も魅力のわかめですが、味噌汁の具に選ぶとき、少し注意が必要です。

味噌汁の具にわかめを選ぶときの注意点

注意点は3つあります。

わかめの量と水戻し時間、そして塩分です。

乾燥わかめも塩蔵わかめも、どちらも5分ほど水に漬けてから使います。

塩蔵わかめは途中2~3回水を変えると、うまく水戻しできます。

このとき、量を加減しないといけません。

乾燥わかめは約10倍、塩蔵わかめは約3倍に増えるので、水戻し後の量を考慮して加減してください。

また、長く漬けすぎると食感が悪くなるうえ、水溶性食物繊維が溶け出してしまいます。

味噌汁にわかめを加えるとドロッとしがちなのは、これが原因です。

食べる直前に鍋に加える、もしくはお椀に別盛にすると、わかめ特有の食感を楽しめます。

わかめには塩分が含まれています。

その点も注意しないと、塩辛い味噌汁になってしまいますので、味噌の使用量を加減しましょう。

以上の3点を気を付ければ、おいしく栄養効果の高い味噌汁を食べることができますので、ぜひ味噌汁の具にわかめを選んでみてください。

具がわかめだけではもの足りないので、おすすめの組み合わせをご紹介します。

わかめと合う味噌汁具材

味の面からみると、どの具材とも合うわかめですが、栄養の面からみると特におすすめの組み合わせがあります。

いくつかご紹介します。

①きのこ
きのこに含まれるビタミンDが、わかめに含まれるカルシウムの吸収を助けます。

また、わかめときのこ、それぞれに含まれるうまみ成分が、相乗効果で味噌汁をよりおいしく仕上げます。

②豆腐
わかめに含まれる鉄分の吸収を、豆腐に含まれるタンパク質が助けます。

わかめの美容効果に加えて、豆腐の原料である大豆に含まれる女性ホルモン様作用があるイソフラボンやダイエット効果のあるサポニンなどの、美容にうれしい効果が期待できます。

③たけのこ
不溶性食物繊維が豊富なたけのこは、わかめの水溶性食物繊維とダブルの効果で便秘を改善します。

味はもちろん、栄養も気にして味噌汁の具を選んでみてはいかがでしょうか。

ただ、良い組み合わせがあるということは、悪い組み合わせもあるということです。

わかめと合わない味噌汁具材

加えることで味噌汁の健康効果がアップする具の組み合わせをご紹介しました。

一方、味の面からみると文句なしですが、栄養の面からみると、あまりおすすめできない組み合わせがあります。

それは、わかめとねぎです。

定番の組み合わせですが、ねぎに含まれるリンが、わかめに含まれるカルシウムの吸収を阻害してしまうのです。

一方で、ねぎには硫化アリルという、抗菌・殺菌作用があるといわれています。

昔から、風邪をひいたらねぎを食べる風習がありますよね。

ねぎとわかめは、どちらにも体を強くする作用があるということです。

その面からとらえると悪い食べ合わせではありませんし、体調を崩すような悪い食べ合わせではないので、あまり神経質になる必要はありません。

知っておくと役に立つかもしれません。

外食のときは気にせず、自炊するときは一緒に食べることを避けるなど、工夫してみてくださいね。

わかめの味噌汁は手軽な栄養食

味噌汁の具を選ぶことで、立派な栄養食に変わることがお分かりいただけたと思います。

わかめの健康効果に、驚いた方も多いのではないでしょうか。

また、一緒に食べる具で得られる健康効果が、増えたり減ったりします。

カットわかめを使えば、味噌汁に加えるのも簡単です。

塩蔵わかめを使えば、日持ちもするし風味も楽しめます。

お好みのわかめをみつけ、無理なく取り入れて、日々の味噌汁で健康を目指しましょう。