料理を作り慣れてくると、味噌も手作りしたくなりますよね。
味噌作りで意外に大変な工程は、大豆をつぶすこと。
少量ならばポリ袋に入れて指でつぶしてもいいのですが、量が多いと時間もかかりますし、大変な作業になります。
そんなときに頼りにしたいのがキッチン家電です。
皆さんの台所に眠っているキッチン家電は、味噌作りに役立つでしょうか。
ミキサー・ミル・フードプロセッサーについてご紹介します。
味噌屋さんでも使っている、大豆をつぶす道具「ミンサー」
手作り味噌をたくさん作るときに大変なのは、大豆をつぶすことです。
すり鉢ではあまりたくさんつぶせませんし、マッシャーを使えば手首の使いすぎで、ヘタをすれば筋を痛めかねません。
味噌屋さんがおすすめしている道具で便利なのは「ミンサー」です。
ミンサーとは、穴の開いた板でふさがれた筒の中を、回転するスクリューの力で肉を押し込んで、穴から細い円筒状にして押し出していく機械です。
肉や魚のミンチ、そして味噌作りの大豆を均一につぶすのが得意な機械です。
電動式と手動式があり、手動式は安い物なら3,000円程度で手に入ります。
しかし、料理の中で食材をミンチにする機会はどのくらいあるでしょうか。
年に1~2回しか使わないならば、購入するのにためらってしまいますよね。
「ミキサーやフードプロセッサーならあるけれど」という声が聞こえてきそうです。
そこでミンサーの代用になりそうな、家庭にある調理機器を見てみましょう。
大豆をつぶすのに使える!?ミキサー・ミル・フードプロセッサー
味噌作りの際、ご家庭にあるもので大豆をつぶすことはできるのでしょうか。
キッチン家電の特長をそれぞれご紹介します。
①ミキサー
果物や野菜を適当にカットして、ミキサーに入れてスイッチを押します。
すると、下についている回転刃が回って、細かく砕いで液体にしてくれます。
このように、ジュースやスムージーのように水分が多いものを撹拌するときは、ミキサーが活躍します。
ただし、ミキサーが不得意とするのは、イチゴやキウイなど、水分が少なく断面がくっつきやすい食材です。
バナナのように粘性の高いものも苦手です。
そういった食材でスムージーを作る場合は、あえて水分の多い食品を入れて、回転刃が回りやすくする必要があります。
②ミル
ミル単体で販売していることは少なく、大概ミキサーとのセットで販売されていて、主に乾いたものを粉末にするのに使います。
ちりめんじゃこや昆布など、乾いて硬い食材を細かく粉末にするのはミルの出番です。
少量の食材であれば、少ない水分でペースト状にすることができます。
しかし、ミルの容量は小さいため、大量の物を加工するのには向きません。
③フードプロセッサー
料理の下ごしらえに大活躍のフードプロセッサーは食材の全体に刃が届きやすいのが特徴です。
肉や魚といった粘り気が多い食材もみじん切りにすることができます。
玉ねぎのみじん切りや、ミンチ、たたきを作るには最適です。
ただし仕上がりは粗めです。
これならば、大豆をつぶすのにも使えそうですね。
ミキサーやミルは不向き!フードプロセッサーは味噌作りに役立つ
前項でもお話した通り、フードプロセッサーならば大豆をつぶすことができますし、ほかの用途にも幅広く使えます。
ミキサーやミルは特性上、味噌作りの大豆つぶしには向いていない印象です。
ある統計では、専業主婦の方の家庭で所有しているキッチン家電で、ミキサーの所有率は37%、フードプロセッサーの所有率は34%でした。
とすると、フードプロセッサーを使いたくなった場合、大半の方は購入するということになるかと思います。
では、フードプロセッサーの2つのタイプを紹介します。
①据え置きタイプ
一度にたくさんの食材を扱えるため、家族の人数が多かったり、まとめて下ごしらえをするときに向いています。
カッター刃を変えることで、みじん切りやスライスなど複数の切り方に対応しています。
幅・奥行・高さがそれぞれ25cm程度あります。
売れ筋の商品の価格帯は6,000円~12,000円ほどです。
②スティックタイプ
ハンドブレンダーなどと呼ばれることが多く、先端に刃がついたスティック部分を鍋の中に入れて直接調理作業できるので、とても便利です。
機能としては、混ぜる・つぶす・きざむ・砕く・泡立てるなどがあります。
アタッチメントを取り付けることで、据え置きタイプ同様に野菜のみじん切りや肉魚のミンチもできます。
売れ筋の商品の価格帯は、9,000円~20,000円ほどです。
フードプロセッサーは機能や価格もまちまちで、比較すればするほど選ぶのに迷いますね。
ミキサーは大豆をつぶすのに本当に使えないの?
フードプロセッサーと同様、キッチンでの死蔵率(買っても使わない)が高いのがミキサーです。
今回の味噌作りで、ミキサーは大豆をつぶすのには向いていないとお話しましたが、主婦3人に1人は所有しているキッチン家電でもあります。
「せっかくミキサーを持っているのだから活用したい」と考えるのは自然なことです。
大豆だけではミキサーのプロペラが空回りしてしまいますが、水分(煮汁)を加えればミキサーで大豆をつぶすこともできます。
ですが、その水分が、味噌作りに多すぎる量となってはいけないため、悩ましいところです。
また、ミキサーの特性上、つぶした大豆はペースト状になり、粒感がないなめらかさな仕上がりになります。
そして、ミキサーから取り出すときに、壁面やプロペラにくっついてしまって一苦労です。
これでは、味噌作りに使う大豆が減ってしまいます。
やはりミキサーは、大豆をつぶすのにはあまり向いているとは、いえませんね。
味噌作りには使えなくても豆乳を作るならミキサーが大活躍
このミキサー、味噌作りには役に立たなくても、豆乳を作るのには便利です。
豆乳は大豆をすりつぶしてしぼった、豆腐を作る一歩手前の乳液です。
大豆の栄養分がほぼそのまま入っているため、「飲む大豆」と呼ばれています。
生活習慣病やがん予防、女性の不調の改善にも役立つといわれていますよ。
作りたての豆乳を飲む贅沢を、ミキサーを使えば実現できますね。
<大豆から作る豆乳&おから>
【材料】
・大豆(乾燥) 100g
・ペットボトルの水 350ml
【作り方】
①大豆を一晩水につけて戻します。
大豆が吸水して2~3倍くらいになります。
②大豆をザルに上げて、ペットボトルの水と一緒にミキサーにかけます。
③ミキサーにかけた大豆を鍋に移し火にかけます。
沸騰したら弱火にして10分、焦げつかないように木ヘラでかき混ぜながら加熱して火を止めます。
④ザルにガーゼ(漉し布)をひいて、③を漉します。
ガーゼに残ったものは水分をしぼります。
⑤これで豆乳が完成です。
ガーゼに残ったものがおからです。
手作りの豆乳は長持ちしませんので、できればその日のうちに使いましょう。
豆乳ににがりを加えて混ぜれば、豆腐になります。
おからはお菓子作りに使ってもいいですし、味付けをして煮物にしてもおいしいです。
味噌を使って大豆のおいしさを味わえる豆乳スープ
豆乳は、1日コップ一杯を習慣にすると良いといわれています。
牛乳と比べても低カロリーですし、鉄分は10倍、マグネシウムも2倍以上、若返りに働くビタミンEも多く含まれています。
作った豆乳をそのまま飲むのもいいのですが、味噌と合わせてスープにしたらきっとおいしいですよね。
大豆の恩恵がたっぷり入った、豆乳と味噌を使ったスープをご紹介します。
<野菜たっぷり豆乳味噌汁>
【材料 4人分】
・大根、にんじん、カボチャ、じゃがいも、きのこ類 各適量
・だし汁・豆乳 各400ml
・味噌 大さじ5
・すりごま(白) 大さじ1
【作り方】
①野菜は食べやすく切っておきます。
②だし汁を鍋に入れて加熱し、根菜から順に野菜を入れてやわらかくなるまで煮ます。
③味噌を②に溶き入れ、豆乳とすりごまを加えてひと煮立ちして完成です。
お好みで七味を振って、ピリ辛にしてもおいしいですよ。
ほかにも、豆乳とフルーツをミキサーにかけて豆乳ドリンクにしたり、お菓子作りに使用できます。
牛乳を豆乳に置き換えることで、おいしく無理なく豆乳を摂り入れられますよ。
家電の特徴を知って活用しよう
台所の奥に眠っているキッチン家電を、味噌作りにも活用できれば便利ですよね。
キッチン家電はそれぞれ得意なことと、不得意分野があります。
フードプロセッサーは、大豆をつぶすのに向いている家電の一つです。
便利な家電を使って、料理を楽しみましょう。
そして、みなさんの食生活を充実させてくださいね。