どの家庭にもある砂糖ですが、色や粒の大きさも様々です。
スーパーで砂糖を買う時は、何を基準に買いますか?
店頭には何種類も砂糖があり、どれを買えばいいか悩んでしまいます。
値段・見た目・栄養価など比べる点がたくさんあるので、今回は家庭で良く使う、きび糖と上白糖の2つの違いについて、比べていきます。
きび糖と上白糖の原材料の違い
きび糖と上白糖は色が違いますが、原材料も違うのでしょうか?
はじめに、砂糖の原材料についてご説明します。
砂糖の原材料は何種類かあり、代表的なものは、サトウキビ・甜菜が良く使われます。
どの原材料でも、精製して不純物を取り除けば、ほとんど同じ砂糖になります。
きび糖と上白糖は、サトウキビから作られていますが、製造工程によって見た目などが違います。
白砂糖の上白糖やグラニュー糖は、サトウキビを精製し、不純物やミネラルなどを取り除いています。
上白糖の白さは漂白していると思われがちですが、砂糖の結晶は無色透明です。
光の反射によって白色に見えるため、着色料なども使われていません。
茶砂糖のきび糖や黒糖も、サトウキビを精製しますが、上白糖のように完全に精製しないため、ミネラルも少し残ります。
茶砂糖に甜菜糖や三温糖もありますが、甜菜糖は原材料が違い、三温糖はサトウキビの精製の仕方によって作られます。
同じ茶砂糖でも、原材料や精製の仕方によって、砂糖の特徴が変わります。
きび糖と上白糖の作り方の違い
きび糖と上白糖は同じサトウキビが原材料ですが、作り方に違いはあるのでしょうか?
それぞれどうやって作られるか、見ていきましょう。
☆きび糖、上白糖は同じサトウキビが原材料で、作り方も途中まで同じです。
上白糖とは違い、精製途中で煮詰めるため、薄い茶色でミネラルなどの栄養素も少し残っています。
きび糖は、ミネラルやコクのある黒糖と、すっきりした甘さの上白糖の中間くらいの砂糖です。
同じサトウキビでも、作り方によって全く異なる砂糖になります。
☆上白糖は原材料のサトウキビを絞り、不純物を取り除き、煮詰めます。
次に、煮詰めたものを遠心分離機を使い、糖蜜(液体)と粗糖(固体)に分けます。
粗糖をさらに遠心分離機にかけて、不純物を取り除いていき、糖質の純度を上げて、精白・精製していきます。
最後に転化糖を加えれば、上白糖が出来上がります。
ちなみにグラニュー糖は、転化糖を加える前の砂糖の事です。
転化糖を入れる事で、しっとりした砂糖の上白糖になります。
きび糖と上白糖の栄養価の違い
同じサトウキビで作られた砂糖でも、精製の仕方によって、栄養価が大きく違います。
茶砂糖は健康に良いとよく聞きますが、実際はどうなんでしょうか?
2つの栄養価の違いについてご説明します。
☆きび糖
・カロリー 396カロリー
・ナトリウム 17mg
・カリウム 172mg
・カルシウム 21mg
・マグネシウム 13mg
☆上白糖
・カロリー 384カロリー
・ナトリウム 1mg
・カリウム 2mg
・カルシウム 1mg
・マグネシウム 0mg
2つの砂糖を比べてみました。
カロリーは同じくらいですが、ミネラルに関しては、きび糖の方がかなり豊富に含まれています。
きび糖は上白糖よりも、ナトリウムは約17倍、カリウムは約86倍、カルシウムは約21倍、マグネシウムは13倍と大きく違います。
他にもきび糖には、リン・鉄・銅のミネラルも、微量ではありますが含まれています。
普段砂糖を使うときも、なるべくミネラルが豊富なきび糖を使うのがおすすめです。
ただ、きび糖に向かない料理もあるので、料理によって砂糖を使い分けて下さい。
きび糖と上白糖の使い分け
ミネラルが豊富なきび糖ですが、きび糖よりも上白糖の方が相性がいい料理もあります。
相性が悪いと、互いの良さが消えてしまうので、砂糖の使い分けについてご説明します。
☆きび糖
きび糖はミネラルが豊富で、コクがありますが、茶砂糖のため料理に色が付いてしまいます。
色を付けたくない時や、素材の味を生かしたい時には不向きですが、それ以外の用途なら、体に良いのでおすすめです。
上白糖よりもコクがあるため、特に煮物を作る時はおすすめです。
☆上白糖
上白糖はクセも少なく、適度なコクがあり、どの料理とも相性が良いです。
色を付けて仕上げたくない場合も、上白糖などの白色の砂糖がおすすめです。
また、上白糖にはグラニュー糖にはない、メイラード反応というのがあります。
これは、焼いた時に焼き色がつきやすく、香ばしい風味に仕上げる事が出来ます。
同じ砂糖でも、種類によって使い方も違います。
料理と相性のいい砂糖を使う事で、より美味しくなるので、上手く使い分けてみて下さい。
きび糖と上白糖は代用出来る?
きび糖と上白糖は、甘さや料理の相性の種類も違いますが、家に砂糖が1種類しかない場合は、代用出来るのでしょうか?
2種類あっても上手く使い分けれず、1種類しか使わない事もあると思いますので、代用出来るかご説明します。
☆上白糖をきび糖で代用
きび糖で代用する時の注意は、まず色が付いてしまう事です。
生クリームのような、白く仕上げたい時に、きび糖を使うと、薄っすら茶色になるので注意しましょう。
他にも、コクや風味が強いため、ジャムやピクルスのような、素材の味を生かした料理には不向きです。
色が付いても気にならなく、コクのある味に仕上げたい時は、ミネラルも一緒に摂れるため、代用しても問題はありません。
☆きび糖を上白糖で代用
きび糖と違い、上白糖はクセがなく、どんな料理とも相性が良いです。
きび糖の代わりに上白糖を使っても、料理の味に大きな違いはないので、問題なく使って大丈夫です。
ただ、普段きび糖を使うように上白糖を入れても、ミネラルの効果はほとんど期待出来ないです。
上白糖はどの料理とも相性が良いので、常備しておくと、いざという時に便利です。
砂糖はしっかり密封しておけば、湿気ることも傷む事もありませんので、2種類の砂糖を上手く使い分けるのも、おすすめです。
きび糖と上白糖のおすすめメーカー
きび糖や上白糖は、スーパーに行けば色んなメーカーのものがあります。
どれを買えばいいか悩んだ事はありませんか?
メーカーによって大きな違いがあるのか、調べていきます。
☆きび糖
・大地を守る会の砂糖
奄美諸島の1つである、喜界島で栽培されたサトウキビを使っています。
ミネラル豊富でコクがあるため、どの料理とも相性が良いです。
・日新製糖
スーパーでよく見かけるきび糖です。
昭和50年代から販売されてる、大ロングセラーの砂糖です。
ミネラルを残しながら、黒糖ほどクセのない砂糖のため、様々な用途で使う事が出来ます。
初めてきび糖を使う方にもおすすめです。
☆上白糖
上白糖と言えば、日新製糖・三井製糖・パールエースの3種類が有名です。
よくスーパーで見かけると思いますが、どれも何十年何百年と続く老舗メーカーです。
どこのスーパーにもあるため、安定して買う事が出来て、砂糖を切らしてしまった時もすぐに買いに行けます。
大きな味の違いはなく、どの料理とも相性が良いため、お好みで選んでください。
用途に合わせた砂糖の使い方
茶砂糖は体に良く、白砂糖は体に悪いイメージが強いですが、どの砂糖も一長一短です。
普段はミネラル豊富なきび糖を使い、お菓子のような色を付けたくない場合は、上白糖を使う。
こんな風に使い分けると、料理が楽しくなります。
相性の良い砂糖を使って、普段の食生活を楽しんでください。