味噌田楽と聞くと、実家でおばあちゃんが作ってくれる懐かしいイメージがあります。
ただ、実際に自分で作ろうとすると意外とレシピが分からなかったり、あまりおいしく作れなかったりしたご経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、簡単に作れるおすすめの味噌田楽レシピと、その中でもなすの味噌田楽のレシピ、そのアレンジ方法までご紹介したいと思います。
そもそも味噌田楽とは?
味噌田楽とは、豆腐やこんにゃく、なすや里芋などを串に刺して、砂糖やみりんを配合し柚子や木の芽などで香りをつけた味噌を塗りつけて焼いた料理です。
味噌田楽のレシピの歴史は古く、平安時代にまでさかのぼります。
中国から豆腐が伝わり、人々は豆腐を串にさして食べるようになり、その後味噌を塗って食べるようになったそうです。
なぜ「田楽」と言うのか不思議ですよね。
豆腐を串に刺した形と、田植えと縁の深い平安時代の芸能であった「田楽」の中で踊る芸人の姿が似ていたことから、この名がつけられたと言われています。
現在では、日本全国で食べられる料理となっており、郷土料理として各地に伝えられています。
使用する具材や味噌も地域によって様々で、例えば岩手県では豆腐ににんにく味噌を塗って作ります。
ちなみに「おでん」は、江戸時代に味噌田楽を煮込むことから派生してできた料理で、おでんの「でん」は「田」を意味していると言われています。
味噌田楽タレのレシピ
豆腐やなすなどの上に塗りこみ、味の決め手となる味噌田楽のタレ。
簡単にできる基本のレシピをご紹介します。
【材料 2人分】
・味噌 大さじ1
・砂糖 大さじ1
・酒 大さじ1
・みりん 大さじ1
【作り方】
①鍋にすべての材料を入れて、中火でヘラを使って練ります。
※弱火よりも強い火の方がツヤが出やすいですが、焦げやすいのでヘラの動きを止めないように注意しましょう。
②砂糖が溶けて、味噌に粘りが出てツヤが出たら、火を止めて完成です。
基本的な材料の割合がすべて同じなので、とても覚えやすいと思います。
味噌田楽に使う味噌は、ご自宅によくある合わせ味噌など、どんな味噌でも十分おいしく作ることができます。
これが基本のレシピですが、味噌のカドを取りたい場合は、だし汁や卵黄を追加してまろやかにすることもできます。
また、味噌に香りをつける場合は、柚子の皮などを入れると良いです。
おすすめ!なすの味噌田楽のレシピ
味噌田楽に合わせる食材は様々ですが、その中でも味噌の香ばしさと相性抜群の、なすの味噌田楽のおすすめレシピをご紹介します。
【材料 2人分】
・なす 1本
・味噌田楽のタレ 2人分
・サラダ油 大さじ1
・小麦粉 少々
【作り方】
①なすのヘタを切り落とし、縦半分に切りボート型にします。
②すわりを良くするために、なすの皮側を薄く切り落とし底を作ります。
③火が通りやすくするために、表に格子状の切り目を入れます。
④味噌田楽のタレがはがれにくくするために、表に薄く小麦粉をつけます。
⑤フライパンにサラダ油を入れ、小麦粉をつけた表側を下にして弱火で5分間焼きます。
⑥表側に焼き色がついたら裏返し、表側に味噌田楽のタレをまんべんなく塗り、蓋をして味噌田楽のタレにも火が通るように3分蒸し焼きにします。
⑦再び裏返し、味噌の香ばしい香りがするまで表側を焼いて完成です。
器にのせ、最後に柚子の皮や白ごまをお好みで振って食べてもおいしいです。
油をあまり使わずオーブンで作りたいという方は、なすに油を直接塗り、200℃くらいのオーブンで一度焼きます。
その後、味噌田楽のタレをのせて仕上げ焼きをするようにしましょう。
味噌田楽に合うなすは?
なすには非常に多くの品種があり、それぞれに特徴があります。
ただし、どの種類のなすでも基本的に味噌田楽を作ることができます。
その中でも、一般的に味噌田楽に合うと言われているなすは「賀茂なす」です。
京都の伝統野菜のひとつで、見た目はまんまるとした形、肉質は硬くしまっており、甘味があります。
また、果肉がギュッとしているため一般的ななすと比べ油の吸収が少なく、油っぽくならずあっさりと仕上げることができます。
他にも「丸なす」や「米なす」が味噌田楽に適しており、賀茂なすと同じような丸い形で肉質も硬く、煮崩れしにくいことが特徴です。
賀茂なすが最も味噌田楽に合うと言われていますが、出回る時期が6月中旬~10月中旬頃と限られています。
また、値段も一般的ななすより高いため手に入れにくいです。
可能であれば味噌田楽に合うなすを使った方がより良いですが、どのなすでも作ることができます。
様々な種類のなすの特徴を活かしたレシピで、なすの味噌田楽を楽しむと良いでしょう。
よりおいしく!なすの味噌田楽を作るポイント
なすの味噌田楽を作るポイントとして、「味噌」と「なすの切り方」についてご紹介します。
まず味噌について、味噌の種類は何でも良いとご紹介しましたが、特徴を理解し使い分けるとより良いです。
●白味噌
西京味噌や府中味噌などの種類があり、熟成期間が短いため塩分濃度も低く、甘味があることが特徴です。
味がやわらかくまろやかなため、柚子と合わせるタレを作る場合、香りが引き立つのでおすすめです。
●赤味噌
八丁味噌などの豆味噌、仙台味噌などの米味噌があり、熟成期間が長く、塩分濃度が高いことが特徴です。
強いコクがあるため、ごはんのおかずとなるようなしっかりとした味付けがよい場合に適しています。
次になすの切り方についてご紹介します。
なすの形に合わせて切り方を変えるとより良いですよ。
●輪切り
味噌田楽に合うとご紹介した「賀茂なす」のように大きくまんまるとした形のなすは、なすを縦に切ると繊維が残ってしまいます。
箸で切れにくかったり食べにくかったりするため、厚めに輪切りにすると良いです。
また、なすの皮を縦じまになるようにむくと火の通りが良くなり、見た目もきれいな飾りとなるのでおすすめです。
●縦半分に切る
一般的によく販売されている細長いなすは、輪切りにすると小さすぎるため、レシピでもご紹介した縦半分にする切り方が良いです。
火の通りを良くするために、表側に格子状の切れ目を入れるなどの隠し包丁を入れることを忘れないように注意しましょう。
なすの味噌田楽のアレンジレシピのご紹介
スタンダードななすの味噌田楽のレシピに飽きてきた時は、少しアレンジを加えると良いです。
ここで、おすすめのアレンジ食材をご紹介します。
●チーズ
なすの味噌田楽を作る時、最後にとろけるチーズをのせて焼くと、チーズのトロっとした食感となすがよく合っておいしいです。
●マヨネーズ
味噌田楽のタレにマヨネーズを加えると、味噌のカドが取れまろやかになるため、お子様も好きな味にすることができます。
●コチュジャン
味噌田楽のタレにコチュジャンを加えると、ピリ辛で大人が喜ぶ味となり、おつまみにもぴったりです。
●ひき肉
味噌田楽のタレとひき肉を炒め、それを焼いたナスの上にのせるアレンジです。
なすとひき肉の相性は抜群で、ごはんに合う立派なおかずにすることができます。
スタンダードななすの味噌田楽もおいしいですが、色々な食材とかけ合わせると飽きずに楽しむことができます。
レシピを工夫してなすの味噌田楽を楽しもう!
なすの種類や切り方、味噌の種類や味噌田楽に入れる香りなどによって、なすの味噌田楽の味わいが変わることが分かりました。
まずはご紹介した基本的ななすの味噌田楽のレシピから作ってみましょう。
その次になすの種類や切り方を変えてみたり、味噌をかけ合わせてみたりして自分のオリジナルレシピを探してみましょう。
シンプルな料理のためアレンジ方法も豊富です。
ご紹介したおすすめのアレンジ食材以外にも相性の良い食材があると思うので、様々ななすの味噌田楽レシピを楽しんでみてください。