痩せたいと思ったとき、まず何から始めたら良いのでしょうか。
食事を制限して運動をすれば痩せるはずだと、思いがちですよね。
しかし、この方法だと、逆に脂肪を貯めやすい体になってしまうのです。
そこで、しっかり摂りたいのが「タンパク質」です。
タンパク質を摂ることで、体脂肪を分解して燃焼しやすい体質にすることができます。
これから、その理由と正しいダイエット方法について、お話ししていきます。
エネルギー消費に必要な筋肉はタンパク質で作られている
まず、タンパク質についてお話します。
タンパク質とは、脂質・炭水化物と並ぶ3大栄養素のひとつで、主に体の組織を作る働きがあります。
人の体の組織のほとんどがタンパク質からできており、筋肉や骨を形成するコラーゲン・細胞膜・皮ふ・髪の毛・血液にも含まれています。
ですから、体にはなくてはならない、重要なものなのです。
もし、タンパク質が不足して、体を維持するのに必要な血液や皮ふが作られないと、生命に危険が及びます。
危険な状態にならないように、体は筋肉を分解して、不足したタンパク質を補おうとします。
筋肉は体を動かすだけでなく、熱を生み出してエネルギーを消費する働きがあります。
筋肉が分解されて減ってしまうと、エネルギーの消費量も減ってしまいます。
そのため、エネルギーが消費されないと、体脂肪を分解する必要もなくなってしまうので、痩せるのは難しくなってしまうのです。
分解しやすい脂肪としにくい脂肪
タンパク質によって作られる筋肉は、熱を生み出すことで、エネルギーを消費します。
これによって、体脂肪を分解して燃焼させる働きがあることがわかりましたね。
実は、脂肪にも分解しやすい脂肪と、しにくい脂肪があるのをご存知でしょうか?
それは、褐色脂肪細胞と白色脂肪細胞です。
褐色脂肪細胞は、体脂肪を分解してエネルギーを消費する働きがあります。
この脂肪細胞を増やせば良いのでは?と思いますが、この細胞は年を重ねるにつれて減っていきます。
増やすことはできませんが、規則正しい生活やバランスの良い食生活によって、その働きを活発にすることはできます。
一方、白色脂肪細胞は、体内で消費しきれなかったものが中性脂肪になり、体脂肪として体に蓄えられたものを言います。
この脂肪は消費しないと、どんどん増えていき、肥満の原因になってしまうのです。
それは、なんとか避けたいですよね?
では、次に、体脂肪を減らすには、どうしたらよいか見ていきましょう。
体脂肪を分解して燃焼させるために必要なこととは?
体脂肪として蓄えられた中性脂肪を減らすには、まずエネルギーを消費して、中性脂肪を遊離脂肪酸とグリセロールに分解する必要があります。
そのためには、有酸素運動を行うことが効果的です。
分解された遊離脂肪酸は、有酸素運動をすることで、エネルギーとして消費されます。
しかし、消費しきれなかったものは、肝臓に送られて、また中性脂肪に合成されてしまいます。
中性脂肪に再合成されないためにも、20分以上の有酸素運動が重要なのです。
また、多くのエネルギーを消費するには、筋肉量を増やすことも効果的です。
筋肉は熱を生み出して、エネルギーを消費します。
筋肉量を増やすことで、少しの運動でもたくさんのエネルギーが消費され、痩せやすい体になるのです。
そのためには、筋肉を作るタンパク質を、食事からたくさん摂ることと、無酸素運動をする必要があります。
無酸素運動は、筋トレや短距離走など、負荷の高い運動のことです。
これを長い期間続けることで、筋肉が作られて、基礎代謝を上げることができます。
また、無酸素運動によって作られた乳酸は、成長ホルモンを分泌させます。
この成長ホルモンは、代謝を上げて脂肪を燃焼しやすくしてくれる働きがあります。
このように、体脂肪を分解し燃焼させるためには、有酸素運動と無酸素運動を組み合わせて行うことで、より高い効果が得られるのです。
タンパク質を摂らずに運動すると筋肉を分解し始める?
運動をするには、タンパク質を摂る必要性があることがわかりましたね。
では、タンパク質をしっかり摂らず、ただ食事量を減らして運動をすると、どうなるでしょうか?
タンパク質は体の組織を作る働きがあるので、不足すると筋肉を分解して補おうとします。
そうなると、筋肉量は減ってしまい基礎代謝が落ちるので、運動をしてもエネルギーが、うまく消費できなくなります。
さらに、髪の毛にはツヤがなくなり、皮ふは荒れやすく、爪も薄くなるなどの問題も起こりやすくなります。
エネルギーが消費されなくなると、食事摂取量が少なくても、少ないエネルギーで活動できるように体が調整し、体脂肪も貯めやすい体質になってしまうのです。
そうなってしまってから食事を減らすダイエットを辞めて、今までの食事量に戻すと、一気にリバウンドをしてしまいます。
リバウンドは誰しも、したくないですよね。
それでは、食事からしっかりタンパク質を摂るには、どのような食材選びをすると良いか考えてみましょう。
高タンパク質な食材とは?
まず、タンパク質が多く含まれる、代表的な食材からご紹介します。
それは、肉・魚・卵・大豆製品です。
肉は、鶏肉・豚肉・牛肉など、よく食卓に並ぶものから、羊肉のような食卓には珍しいものがあります。
肉の種類によっても、タンパク質の含有量は変わりますが、一番重要なのは脂身が多いか少ないかです。
バラ肉などの脂身が多い部分だと、タンパク質の含有量は減ってしまいますので、ささみやムネ肉などの脂身の少ない部分を選ぶようにしましょう。
魚も同じで、脂の少ないものの方が、タンパク質の含有量は多くなります。
ですが、脂肪が多い魚にはDHAやEPAなどの良質な脂肪酸を多く含まれており、これは血中の中性脂肪を減らす働きもあるため、適度に摂取することをおすすめします。
卵もタンパク質を多く含みますが、その調理法によっては、甘く味付けをしたりすると、砂糖を使い過ぎる可能性もあります。
そこで、ゆで卵にすると簡単で、味もシンプルに食べられるのでおすすめです。
大豆製品には、大豆・豆腐・納豆・豆乳などがあり、これらは低カロリーでもあるので、毎日摂り入れたい食材です。
他にも、ブロッコリーなどの野菜類にも、タンパク質が比較的多く含まれているものがあります。
これらを上手に組み合わせて、運動をしても筋肉が分解されないように、高タンパク質の食事を摂っていきましょう。
間違った食べ方で体脂肪が増える?正しい高タンパク質食の摂り方
これらの食材をやみ雲に食べていくと、カロリーオーバーになって体脂肪が増えてしまったり、運動をしても効率的に体脂肪を分解できない場合があります。
そうならないためにも、上手な選び方をご紹介します。
タンパク質は、複数のアミノ酸が結合してできています。
アミノ酸の中には体内で合成できない、必須アミノ酸というものがあります。
体内で合成できないということは、食事から摂っていく必要があるのです。
この必須アミノ酸を多く含む食品ほど、良質なタンパク質が摂れる食品ということになります。
良質なタンパク質を含む食品のほとんどが、肉・魚・卵などの動物性食品です。
植物性食品は、タンパク質を多く含んでいるものでも、必須アミノ酸を含む食品はあまりありません。
ですが、その中でも大豆製品はアミノ酸のバランスが良く、積極的に摂って欲しい食品です。
このように、良質なタンパク質を多く含む動物性食品ですが、植物性食品に比べると高カロリーです。
食べ過ぎるとカロリーオーバーになってしまうので、脂身の少ない動物性食品を選ぶとともに、なるべく大豆製品を毎日1回は摂り入れるようにしましょう。
タンパク質の摂取量の目安は、普通の人で「1(g)×体重(kg)」で、運動量や筋肉量の多い人はその1.5~2倍量が必要になってきます。
運動量が多く、必要量が食事からすべて摂れない方は、プロテインのサプリメントの活用も効果的です。
ダイエットにはタンパク質が必須!
良いダイエット方法は、筋肉を付けて、体脂肪を分解し消費することです。
そのためにも、タンパク質をしっかり摂って運動し、筋肉を増やすことが大切ということがわかりましたね。
安易な食事制限はカロリー不足になり、健康も損なってしまいます。
正しい食事と運動で、美しい体型を手に入れましょう。