日本の主食であるお米。
とても馴染みが深い食べものですね。
しかし、炊いたときに「あれ?臭いぞ」と感じたことはありませんか?
それはお米の保管・炊き方に問題があったと考えられます。
今回は、そのお米の匂いを取る方法や、美味しく炊き上げる工夫などをご紹介していきます。
お米が臭い原因は?
お米が臭いということには、いくつかの原因があります。
まず、確認すべき点は炊飯器が汚れているかどうかです。
炊飯器は、ご家庭によるでしょうが、日々の使用頻度は高いでしょう。
そのために、ついつい掃除をするタイミングを逃してしまっているかもしれません。
この炊飯器の内蓋の裏側やパッキンが汚れていると、ご飯に匂いがついてしまいます。
忘れがちですが、炊飯器もキレイに保つようにしましょう。
炊飯器の汚れに問題がないのに、お米が臭いという場合は、お米自体に原因があります。
お米が古いものであれば、米ぬかが酸化してしまった際の、特有の「ぬか臭さ」が出てきます。
こういったお米を炊飯すると、ぬか臭いご飯になってしまいます。
また、保管方法も注意すべき点です。
間違った保管方法をしてしまうと、お米は周囲の匂いを吸収してしまうので、お米が臭いのは、それが原因ということもあります。
では、お米の臭い匂いを取る、または防止するには、どうしたらよいのでしょうか。
お米の保存場所はどうする?
お米に、臭い匂いをつけない方法についてです。
まずは、その保管場所について。
家庭の中でお米を保管するには、どうのような場所が最適なのでしょうか?
それは、冷蔵庫の野菜室がベターです。
お米の保存温度を10℃下げると、その酸化速度を、なんと半分近く遅らせることが可能です。
そのため、冷蔵庫の野菜室での保存がオススメです。
冷蔵庫の野菜室のスペースがない、取ることができないという場合は、冷暗所に保存しましょう。
日光・酸化・湿気を避けるような場所が大前提です。
冷暗所といっても、台所の流しの下など湿気の多い場所は、避けたほうがよいでしょう。
大事なお米に水がかかったり、湿気を吸収してしまい、カビが発生しやすくなるためです。
さらに、季節にも注意です。
特に、春から秋にかけて気温の温かい季節は、防カビ対策をしっかりと。
お米の匂いも気になりますが、カビにも十分気をつけましょうね。
お米の臭い匂いを取る方法「研ぐ」
お米のぬか臭い匂いを取るには、お米の「研ぎ」が、とても大切です。
さらに、お米を研ぐ際の一番最初に加える水は、普通の水道水ではなく、浄水器を通した水などの匂いのない水が理想的です。
そして、注意してほしい点は、スピーディに研ぐことです。
浄水器の水を吸わせたといっても、ゆっくりしているとお米の「ぬかの臭い」までも、お米が吸ってしまうので、なるべく早く作業するようにしましょう。
なので、水を入れたら軽く2~3回、底から混ぜたら、直ぐに水を捨てます。
そして、水を切った状態から、お米を研ぎ始めます。
ボールを掴んでいるような指の形で、シャカシャカと大体20回くらい、ボウルの中をかきまわすようにします。
その際は、力を入れすぎないことと、手を回す速さに注意が必要です。
お米が割れてしまっては、美味しく炊けません。
そうして、優しくお米を研いだ後は、ボウルに水を注ぎ、白く濁った研ぎ汁を捨てます。
この水を注ぐ際も、素早く行いましょう。
もたもたしてると、研ぎ汁をお米が吸収してしまいます。
この作業を2回ほど行い、合計3回ほどの水の入れ替えで、うっすらとお米が透けて見えるくらいの透明度になると思います。
これくらいの透明度で、お米の研ぎは完了です。
あとは、お米を浸水させれば、炊く準備は整います。
お米の臭い匂いを取る方法「炊き」
お米の炊き方については、現在では各メーカーから優れた炊飯器が販売されているので、ここでは古いお米などの場合の、お米の臭い匂いを取る一工夫についてご紹介していきます。
まず有名なのは、備長炭を入れて炊く方法です。
炭の効果は、水道水のカルキの臭いや、お米のぬか臭さを吸着してくれます。
さらに、味に関してもプラス面があり、炭の弱アルカリ性はデンプン分解酵素の働きを促進し、ご飯に甘みを引き出してくれます。
古いお米を炊く際にオススメなのが、ハチミツです。
古いお米は、うまく研げても、どうしても米ぬかが酸化した臭いが、気になることが多いです。
そんなときは、ハチミツを大さじ1杯、お米2合に対して加えてみましょう。
もっちりと、新米に近い仕上がりに炊き上げることができますよ。
同じく、古くなって臭いがあるお米に入れると良いものは日本酒です。
お米1合に対し、日本酒大さじ1杯を目安に加えてみましょう。
臭いを抑制し、旨味が足されて、美味しく炊き上がります。
しかし、入れすぎは日本酒の香りが目立ってしまうので注意です。
お米の臭い匂いを取る方法「保管容器」
お米の臭いを取る、防止する保管容器についてです。
お米と保管する容器で一般的なのは「米びつ」だと思いますが、今回は米びつ以外の容器について、ご紹介していきます。
ここで重要なのは、お米がなるべく空気に触れないようにすることです。
お米は空気に触れていると、乾燥と酸化が進んでしまうからです。
なので、空気に触れる面積を、可能な限り少なくするように密封できるモノがベターです。
ここで特にオススメできるのが、ペットボトルです。
ペットボトルの利点は、お米の保管に重要な密閉という点と、保管に大切な温度である冷蔵庫に、無理なく入れられるという点です。
また、わざわざ容器を購入しなくても、中身を飲んだ後の再利用という点もよいですね。
ただ、お米をペットボトルに移すのが、ちょっと面倒かもしれませんね。
しかし、その手間をかけるメリットは十分にあると思います。
土鍋で美味しいお米を炊く
せっかくなので、土鍋でご飯を炊いてみませんか?
土鍋でお米を炊くと、内部の対流により、ぬかの臭いを取ることを軽減することもできるのです。
では、レシピをご紹介していきます。
【作り方】
①研ぎからのお米の浸水ができたら、まずお米をザルに開け、しっかりと水気を切ります。
②水気を切ったら、土鍋に米を移しかえ、2合の際は水400~450ml、3合の際は水600~650mlを目安に水を入れます。
しかし、土鍋によって、炊きあがりの状態がそれぞれ変わってくるので、水量はあくまで目安と考えてください。
③では、火にかけていきましょう。
初めは中火にして、10分待ちます。
これくらいの火力・時間で、沸騰を始めるでしょう。
土鍋で炊くご飯の基本は『弱火にして15分炊く』ことです。
④弱火にして15分後に蓋を開けてみて、水気の具合を確認しましょう。
お米の表面から、水や大きな泡が出ているようなら、まだ水気が残っている状態です。
この状態なら、弱火を保ち水気がなくなるまで、追加で1~2分くらい様子をみます。
⑤こうして水気がなくなると、土鍋から小さくパチパチという音が聞こえると思います。
この音や目で確認し、水気がない状態になったら、蒸らしのために火を中火に戻して、10秒くらい加熱しましょう。
⑥その後は火を止め、10分ほど蒸らせば炊きあがりです。
⑦蒸らしまで終えたら、蓋をとり全体を混ぜ、さらに余分な水分を飛ばすとよいですね。
基本的な炊き方は以上です。
あとは色々試してみて、ベストな炊き上がりを目指しましょう。
お米も生きている
お米は一見、長期保存が可能なものですが、その保存方法を間違えると、一気に味の劣化が始まってしまいます。
お米は日本人の主食ですし、歴史上では、お金と同様に扱われてきた素晴らしい食べものです。
この素晴らしいお米を、少しでも美味しく食べるための方法をご紹介してきました。
多少なりとも、より良い食生活の手助けになれれば幸いです。