昔からの日本の料理に「昆布」は欠かせません。
日本の昆布の約90%は北海道全域で、その他には東北の三陸海岸沿いで採れます。
昆布をだし汁に使ったり、佃煮にしたりと用途も色々ですよね。
今回は、昆布の佃煮の作り方や、賞味期限と保存方法をご紹介します。
昆布の佃煮を作りたい!佃煮に適した昆布とは!?
スーパーなどに買い物に行くと、沢山の種類の昆布が販売されていますよね。
昆布という名前がついていれば、どれも同じようにだしを取ったり、昆布の佃煮にして食べても変わらないような気がしませんか?
実は、昆布によって使い方は違うのです。
旨味成分を多く含んでいる昆布の方が、だしを取る昆布には適していて、繊維質が少ない柔らかい昆布の方が、煮て食べる昆布に適しています。
販売されている昆布の裏面には、原材料名が記載されているので、チェックしてみましょう。
また、乾燥した昆布は、賞味期限が過ぎていても使えます。
ただし、昆布が水分を含んでしまうと、賞味期限内であってもカビが生えてしまうので、使うことはできません。
だしを取るのに多く使われているのは、真昆布(まこんぶ)・利尻昆布(りしりこんぶ)・えながおにこんぶです。
では、昆布の佃煮作りに適した昆布をご紹介します。
☆三石昆布(みついしこんぶ)
日高沿岸で取れる「日高昆布」のことです。
繊維質が少なくて、柔らかいのが特徴です。
早く煮えるので、昆布巻、佃煮などの煮て食べる料理に適しています。
☆長昆布(ながこんぶ)・厚葉昆布(あつばこんぶ)
北海道の道東地区で取れます。
繊維質が少なく柔らかいので、昆布巻、佃煮、おでんによく使われています。
だしを取るには不向きなので、まさに煮て食べるための昆布です。
昆布の種類を知って、用途に応じて選びましょう。
昆布の佃煮の作り方
だし取り用の昆布を使っての料理は、旨味を感じられて美味しいですよね。
ですが、ご自宅で日々使うのは、経済的にも負担が大きいものです。
だからこそ、だしがらの昆布は捨てずに活用しましょう。
だしがらが出たら冷凍保存しておき、まとめて佃煮にします。
昆布の佃煮は、ビタミンやミネラルなどの栄養をバランス良く含みます。
ご飯がすすむ、おかずになりますよ。
【昆布の佃煮の材料 作りやすい分量】
・昆布のだしがら 200g
☆濃口醤油 100ml
☆みりん 小さじ4
☆酒 小さじ4
☆砂糖 小さじ2~3
【作り方】
①昆布を切るのは、冷凍する前でも、解凍してからでも、どちらでも大丈夫です。
食べやすい、2~3cm四方にカットします。
カットしたら、鍋に移し入れます。
②鍋に昆布を入れたら、☆の調味料を入れて混ぜ合わせ、火にかけましょう。
③煮汁が沸いてきたら、火を少し弱めます。
中火から弱火の間くらいの火加減に、調整しましょう。
ひたひただった調味料は、およそ20~30分くらいで煮汁が少なくなってきます。
④火加減を弱火にして、味を見ながら水分を飛ばしていきます。
⑤鍋底に、ほとんど調味料が残らなくなれば完成です。
次は、賞味期限が気になる昆布の佃煮の保存方法についてお話します。
賞味期限が気になる。昆布の佃煮などの佃煮の保存方法
食べ物の賞味期限って、気になりますよね。
「そんなの気にしない」という方もいらっしゃると思いますが、ほとんどの方が必ずチェックすると思います。
昆布の佃煮は家庭で作る他にも、作られたものがよく売られていますよね。
そんな佃煮の日持ちは、佃煮の味付けや季節、保存方法によっても違ってきます。
味付けは、塩辛かったり甘辛さが強いほうが日持ちします。
そして、賞味期限は、水分活性・PH・塩分濃度の数値を元にして管理されています。
これらの数値を管理することにより、カビや発酵を防止する工夫をしているのです。
保存方法として、特に気を付けてもらいたいことがあります。
それは、タッパーなどに移動させる際の、直箸を避けることです。
タッパーに移動して保存するメリットは、食感を長持ちさせることにあり、カビが発生しないというわけではありません。
タッパーを利用することは、冷蔵庫内の乾燥から守ってくれる点で、とても優れています。
しかし、直箸などをして菌がついてしまった場合、タッパー内はカビの発育条件に最適な環境を保持してしまうこともあるのです。
一番良いと思われる保存方法は、食べる分だけ箸で取り、袋のまま口を輪ゴムなどを使って閉じることです。
なぜなら、閉じ口しか空気に触れないので、タッパーに移すよりも菌の付着や、乾燥も防げるからです。
昆布の佃煮の賞味期限はどのくらい?
おにぎりやお茶漬け、お酒のおつまみや、育ち盛りの子ども達にもおすすめな昆布の佃煮。
そんな昆布の佃煮の、賞味期限の目安はいったいどのくらいなのでしょうか。
自分で手作りしたものなら、冷蔵庫で2週間ほど保存可能です。
冷凍もでき、その場合は2~3ヶ月以内を目安に食べきりましょう。
販売されているものは商品によっても違いますが、未開封なら、常温で長期保存(180日)が可能なものもあります。
美味しく食べるためには、やはり賞味期限内が一番です。
そこで、賞味期限が過ぎてしまったものの、「捨てるか食べるか」の判断目安をご紹介します。
☆賞味期限からどれくらい経過しているか
賞味期限の表示は、ゆとりをもって設定されています。
正しく保管されていた食品は、多少であれば賞味期限を過ぎても、安全性に問題のないものが多いです。
☆決められた条件で保存されていたか
食品の品質表示欄には、「保存方法」が必ず記載されています。
賞味期限が過ぎてすぐのものでも、高温多湿や直射日光のあたる場所で保管されていたものは、注意しなければいけません。
☆食品の見た目・臭い・味などのチェック
賞味期限や保存方法を確認したら、五感をフル活用してチェックしましょう。
食品の色の変化やカビの有無、酸っぱい臭いや腐った臭いがしないか、少し舐めてみて異常がないかを確認してください。
少しでも変だなと感じたら、絶対に食べないでください。
消費期限と賞味期限の違い
先ほど、昆布の佃煮の賞味期限についてお話しましたが、ここで改めて「消費期限」と「賞味期限」の違いについて再確認しておきましょう。
販売されている食品には、必ず「消費期限」や「賞味期限」が記載されていますよね。
誤解されやすいですが、実は「賞味期限切れ」=「廃棄すべきもの」ではありません。
まだ食べることができるのに、皆さんの中には、廃棄している方もいらっしゃるかもしれません。
まずは、消費期限と賞味期限の正しい意味を知っておきましょう。
☆消費期限
期限を過ぎたら、食べない方がよい期限のことです。
安全性の保証期限ということになります。
定義としては、定められた方法で保存した場合に、腐敗・変敗その他の品質の劣化に伴い、安全性を欠くおそれがないと認められる期限を示す年月日とされています。
☆賞味期限
おいしさの保証期限のことです。
ですので、この期限を過ぎても、すぐに食べられないというわけではないのです。
定められた方法で保存した場合に、期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期限を示す年月日です。
しかし、期限を超えた場合でも、これらの品質が保持されているものと定義されています。
正しい知識をもって、食品を無駄にすることのないようにしましょう。
賞味期限がギリギリ切れてしまった昆布の佃煮は加熱して使おう
前項でもお伝えしましたが、賞味期限は定められた方法で保管した場合に、品質が十分に保持可能な期限のことです。
何度も言いますが、賞味期限を過ぎたら、すぐに食べられないということではありません。
見た目・臭い・味などに問題がなくても、賞味期限が過ぎてしまった食品を食べるのは、ちょっと気が引けるという方は、お料理に使って加熱すると良いでしょう。
☆昆布の佃煮のトースト
手作りしたものや、市販されている昆布の佃煮を使って、食パンにのせて焼くだけです。
混ぜ合わせるだけなので、とっても簡単に作れ、朝食にもおすすめですよ。
【材料 パン2枚分】
・食パン 2枚
・昆布の佃煮 大さじ3
・マヨネーズ 大さじ2
・クリームチーズ 1かけ
【作り方】
①マヨネーズに、昆布の佃煮の半量を合わせて混ぜます。
②クリームチーズは、調理の少し前に冷蔵庫から出して、常温にしておきましょう。
常温にしたクリームチーズを、残りの昆布の佃煮と合わせて混ぜます。
③混ぜ合わせた昆布の佃煮を、それぞれ1/4にカットした食パンにのせましょう。
④オーブントースターで、2~3分焼いたら出来上がりです。
昆布の佃煮はお米だけでなく、パンにも合うので常備しておくと便利ですよ。
昆布の佃煮を食べよう
いかがでしたか?
昆布の佃煮は美味しいだけでなく、高血圧や動脈硬化予防、免疫力アップが期待できます。
若い方は、佃煮自体をあまり食べる機会がないかもしれませんが、昆布の佃煮はおにぎりの具としても美味しいので、ぜひ作ってみてくださいね。