夏野菜の代表ともいえるナスは、家庭菜園でも人気があります。
焼きナス・煮物・炒め物・グラタン・漬け物など、沢山の料理に使われていますよね。
そんな美味しいナスを栽培する時に、発生しやすい害虫がアブラムシです。
皆さんも、一度はアブラムシを見たことがあると思います。
沢山寄生していると、気持ち悪いですよね。
そこで今回は、アブラムシがナスに寄生する原因と対策についてまとめてみました。
ナスを栽培したい!ナスの栄養と効能
ナスを家庭菜園で栽培したいなって思っている人は多いですよね。
ナスの栽培は、初心者にも簡単なものから難しい品種まで沢山あります。
全般的に言えるのは、ナスは害虫のアブラムシが発生しやすいなど、思った以上に手がかかります。
栽培方法をご紹介する前に、ナスの栄養と効能についてお話します。
ナスの主な栄養成分は・糖質・カリウム・β-カロテン・葉酸・ビオチン・食物繊維です。
栄養面からみると、低カロリー・低タンパクで栄養価はあまり高くないです。
ビタミンA・B1・B2・Cのビタミン類は、ほんの少ししか含まれていません。
ナスのアントシアニンは天然色素のポリフェノールの一種で、目の疲労回復・抗酸化作用・血栓防止に効果的です。
夏野菜は暑さで弱った体を冷まして、体力回復に効果的なものが多いです。
ナスは夏野菜の中で、最も体を冷ます効果があるのです。
注意して欲しいのは、夏以外は体を冷やす効果によって体調を崩す原因になってしまうこともあるので、塩分をしっかりと補い、肉や魚と一緒に食べるようにしましょう。
プランターでのナスの栽培方法
ナスの栄養と効能がわかったところで、さっそくプランターでのナスの栽培方法を簡潔にご紹介します。
<苗の購入>
4月中旬から下旬頃に苗を購入しましょう。
<定植>
4月下旬から5月上旬が定植時期です。
標準プランターでも育てることができますが、大きめのプランターを用意しておきましょう。
ナスは高温と日照を好むので、日当りの良い場所で栽培しましょう。
<3本仕立て>
定植した後すぐに、ちょこんと一番花の蕾が出てきます。
主枝と一番花の下あたりから出てくる太い2本の側枝を残して、3本仕立てにします。
下の方から出てくる脇芽、は全て摘み取ります。
そうすることで、実つきが良くなりますよ。
<追肥開始>
定植した後、3週間から1ヶ月くらいしたら、週1回の液肥の追肥か、3週間に1回緩効性化成肥料の追肥をしましょう。
乾燥に弱いので、朝と夕方に2回水やりをしましょう。
<収穫>
6月下旬から7月が収穫時期となります。
収穫できるようになる前の5月から6月くらいになると、アブラムシが大量に発生します。
次は、栽培時に注意すべきナスに寄生するアブラムシについてお話します。
栽培時には要注意!ナスに寄生するアブラムシについて
ここではナスの栽培時に、ナスに寄生するアブラムシについてお話します。
皆さんは、アブラムシの種類ってどのくらいだと思いますか。
なんと、アブラムシは700種ほどいて、その中で野菜に害を与えるアブラムシは30種いると言われているのです。
そんなに沢山の種類がいるなんて、驚きですよね。
沢山の種類のアブラムシの中で、ナスの栽培に害を及ぼすアブラムシは「モモアカアブラムシ」と「ワタアブラムシ」です。
どちらの名前も聞いたことがないし、見たことがない方も多いと思います。
アブラムシの色は赤・緑・黒などで、体長は2mmから3mmくらいです。
はねがあったり、なかったりと環境によって、それぞれ違う適応力をもっているのです。
アブラムシは吸汁性害虫と言われており、ナスの葉に穴を開け大事な養分を吸い取ります。
成長に必要な養分が吸い取られると、葉が縮れ葉色も悪くなって、成長できなくなってしまいます。
また、光合成や葉の表面からの蒸散が妨げられてしまう「すす病」が発生して枯れてしまったり、アブラムシがウイルスを媒介して「モザイク病」を発生させたりします。
ナスの栽培時にアブラムシが発生してしまう原因
あんなに小さな体なのに、アブラムシがナスなどの野菜の栽培に及ぼす害は深刻なのですね。
ここでは、アブラムシが発生してしまう原因について考えてみましょう。
①
害を及ぼすアブラムシは、3月から10月に発生します。
特に高温で雨量が少なく、乾燥していると発生して活発に活動します。
つまり梅雨明けから秋までが活発な活動期で、ナスの生育期間とも重なってしまうため、寄生されやすくなるのです。
②
アブラムシは雑草などから知らぬ間に飛んできます。
ナスの株は葉が混み合って生えていたり、プランターなどの狭い場所で何株も植えている場合などで風通しが悪かったりすると、アブラムシが寄生しやすくなります。
③
ナスの株にチッ素成分が多いと発生しやすいです。
チッ素成分が多いと、ナスの株や葉に栄養が沢山回ります。
私達人間も美味しいものや、栄養のあるものを好んで食べますよね。
それと同じようにアブラムシにとっても、栄養豊富な新芽や葉があるナスの株は、最高のお食事場所になってしまうんですね。
ナスなどの野菜に発生しやすいアブラムシの対策とは?
ナスの栽培時にアブラムシが寄生する原因がわかりましたね。
ここでは、アブラムシの対策についてお話します。
ナスに寄生したアブラムシの対策は、一体どうすれば良いのでしょうか。
ナスなどの野菜の栽培で大事なことは、害虫が寄生する前に予防対策をすることです。
ナスを植え付ける時に浸透性移行剤を散布しておいて、そもそもアブラムシが寄生しにくい株にしておきましょう。
もし、アブラムシが寄生してしまった場合は、野菜に使っても大丈夫なスプレータイプの殺虫剤で対応しましょう。
しかし、いくら野菜にも使えると説明書きに書いてあったとしても、殺虫剤を使うことが不安に感じる方もいらっしゃいますよね。
そんな方は、ナスの水やりを控えて乾燥させておき、牛乳をスプレーで散布する方法を試してみてください。
牛乳の膜が乾燥したときに収縮する性質を利用して、アブラムシを圧死や窒息死させます。
晴れた日の午前中に実施するのが良いでしょう。
散布した牛乳が乾燥したら、水を入れた霧吹きなどで牛乳を洗い流します。
ただし、牛乳のかけすぎは成長に支障がでたり、根腐れしてしまうので気をつけてください。
栽培したナスの美味しい食べ方
アブラムシの被害を回避して、無事に栽培&収穫できたナスの美味しい食べ方をご紹介します。
☆調理のポイント
水ナスなどを除いて、一般的なナスは真水か塩水につけてアク抜きが必要です。
油との相性が抜群ですが、油の吸いすぎに気をつけてください。
煮物などにする場合は、1回高温で軽く揚げると色の変化も抑えられ旨味がアップします。
☆ナスの美味しい食べ方
■焼きもの
焼きナス・ナスの田楽・グラタンなど
■揚げもの
ナスの天ぷら・揚げだしナスなど。
■炒めもの
麻婆茄子・野菜炒めなど。
■煮物
ナスのトマト煮・ラダトゥイユ・味噌汁の具・カレーの具など。
■ナスの漬け物
■水ナス
生のままの水ナスに包丁で切れ目を入れ、手で裂いたものは、もろ味噌ともよく合います。
ナスは暖かい時期に採れる野菜なので、温度の低い冷蔵庫に入れておくと低温障害を起こしやすくなってしまい、傷むのも早くなってしまいます。
収穫してすぐに調理しない場合は、袋に入れて冷暗所に保存しておきましょう。
ナスを使って色々な調理にチャレンジしてみてくださいね。
害虫の予防対策をとっておくことが大事
愛情をたっぷりとかけて、自分で栽培したナスの美味しさは格別ですよね。
可能な限り無農薬で作りたいですが、収穫できるようになるまでにはアブラムシなどの害虫対策が必要で、なかなか難しいのが現実です。
今回、ご紹介したような対策をとり、美味しいナスを沢山収穫できるといいですね。