寒天ダイエットの注意点!食べすぎは栄養の吸収を阻害する?

寒天は、ダイエットに良いという理由で有名になりましたね。

寒天を使ったおやつやゼリーも商品として、たくさん目にするようになりました。

低カロリーで美容にも健康にも良い寒天ダイエットですが、注意点もあります。

栄養の吸収を阻害するという話を耳にします。
寒天についてお話したいと思います。

寒天に栄養はあるのか?

寒天には100g中80.9gもの食物繊維が含まれており、食物繊維を最も多く含む食品といえます。

よく知られているように食物繊維には緩下作用、整腸作用がありますが、研究が進むに従い他の栄養素にはない重要な働きがあることが分かってきたため、現在では「第6の栄養素」と呼ばれています。

そのひとつは、血圧を下げる効果です。
食物繊維は腸内で脂肪の吸収を阻害し、一緒に排泄するからだと考えられています。
特に海藻類に含まれる食物繊維には、血圧降下作用やコレステロール低下作用が大きいことが明らかになっています。

もうひとつは、コレステロールを下げる効果です。
血液中のコレステロールの増加は、動脈硬化を進行させる最大の要因です。
それを予防するためには善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らさなければなりませんが、寒天などの水溶性多糖類にはその効果があるのです。

水溶性多糖類は腸内でネバネバした状態になるため、胆汁酸が腸壁から吸収されるのを阻害します。
胆汁酸は脂質の消化を助ける酵素なのですが、使われた後は腸壁から吸収され肝臓に戻り再利用されます。

しかし、水溶性多糖類が吸収を阻害することで、足りなくなった胆汁酸は肝臓で作られることになります。
胆汁酸の原料となっているのがコレステロールなので、胆汁酸を作るために体内のコレステロールが使われ少なくなるということなのです。

寒天の効能

まずは血糖値を下げる効果です。

食物繊維を積極的に摂取すると消化に時間が掛かるため、糖質などの栄養素の吸収にも時間が掛かりますので血糖値の上昇が緩やかになります。
糖尿病はインシュリンの分泌障害により、糖質の消化吸収がうまくできず血糖値が異常に高くなる病気です。
しかし、食物繊維が血糖値の上昇を抑制しますので、インシュリンの分泌量が少なくても充分に糖質を分解することができるのです。

次に肥満防止と便秘解消の効果です。
食物繊維自体はカロリーがなく、いくら食べても太りません。
しかも水分を吸ってかさが増えますので少量でも満腹感が得られ、糖質の吸収に時間が掛かるため満腹感が長持ちします。

また、水分を吸って膨張することで便のかさを増し柔らかくしてくれます。
このような便は腸壁を刺激するため排便が促され、柔らかいので楽に排泄することができます。

寒天は乾物量の250倍もの水を吸収することができます。
この寒天が消化器官を通過する過程で水分は体内に徐々に吸収されていきます。
大腸ではこの水分が便を柔らかくすることで、排便をスムーズにし自然なお通じを促してくれます。
また、食事からの余分なコレステロールの吸収を阻害し、体外に排出してくれます。

このような良い効果をもたらしてくれる寒天は、もっと食生活に取り入れて欲しいものです。

寒天は栄養の吸収を阻害する?

寒天はてんぐさなどを凍結・乾燥させたもので、不溶性食物繊維も含まれていますが、そのほとんどは水溶性食物繊維です。
ダイエットにはもってこいの食品に思えますが、注意しなければならないこともあります。

それは、食事の最初に水溶性食物繊維を大量に摂取すると他のものが食べられなくなり栄養不足に陥ってしまうことです。

寒天でいくら満腹感を得ても、脳ではブドウ糖が不足してしまい低血糖になるため摂食中枢が刺激されて食欲が湧いてくることになります。
そのうえブドウ糖の不足を補おうと筋肉を分解し始めるため、基礎代謝が下がり太りやすい体質になってしまいます。

ですからダイエットに利用するには、食事の前に少量食べることで腹八分目を心掛けるのが良いのではないでしょうか。

また、水溶性食物繊維を食べ過ぎるとビタミンやミネラルなど大切な栄養素の吸収を阻害してしまうことがありますので、過度の摂り過ぎは危険です。

ビタミンB1やクロムが不足すると糖質の代謝が抑制され脂肪に蓄積されやすくなりますし、ビタミンB2が不足すると脂肪を燃焼できなくなります。
そのほか亜鉛、ビタミンB6が不足するとアミノ酸からたんぱく質を合成できなくなるため、筋肉が作られず基礎代謝が低下します。

これらの結果太りやすい体質になり、肌荒れ、冷え症、むくみなど様々な問題を引き起こす原因となってしまいます。

栄養を阻害しないダイエット法

寒天は餡蜜のようにスイーツとして食べることもできますし、調理して食事に使うこともできます。
また、飲み物に混ぜて摂るということもでき、様々な摂取方法がある食材です。

栄養素の吸収を阻害せず、できるだけ効果的に摂取するために上手な寒天ダイエットの方法をいくつか紹介しましょう。

まずは、おやつに寒天ゼリーです。

寒天は食べると胃の中で膨張することで、お腹がいっぱいになり食事を食べ過ぎるのを防ぐことができます。
しかし、食べた直後ではまだ膨張していないので、食事中に摂っても意味がありません。ですから、おやつの時間や夕方に摂取するのが最適なのです。

次は、夜食に寒天ドリンクです。

夜中にお腹が空いて眠れない、という経験をしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
ダイエット中はなおさら空腹を我慢していると思いますが、過度な空腹は逆効果になってしまいます。

粉寒天を熱いお湯で溶かした寒天ドリンクは程よいとろみで、ダイエット中の空腹を和らげてくれます。
電子レンジでも簡単に作れるオススメのドリンクです。

寒天ダイエットの注意点

寒天はその250倍の水分を吸収しますので、たっぷりの水分を一緒に摂るよう注意しなければなりません。

効率的に減量するためには食事量のコントロールが基本ですので、カロリーを摂り過ぎないようにしましょう。

しかし、寒天だけでは必要な栄養素が不足してしまいますので、完全に食事を抜いてはいけませんし、必要な栄養素の吸収が阻害されてしまうこともあります。

また、寒天ゼリーなどの食べ過ぎもよくありません。
寒天ゼリーを止めるとその分食事量が増えてリバウンドしてしまうこともあります。
特に砂糖のたっぷり入った寒天ゼリーなどは摂取量に注意が必要です。

食事制限によるダイエットで失敗してしまう原因は、空腹感によるストレスで暴飲暴食してしまうことではないでしょうか。
寒天を取り入れると食物繊維の効果で空腹感を抑えることができます。

寒天そのものを食事に取り入れるだけでなく、最近ではコンビニやスーパーで寒天ゼリーなどのそのまま食べられる商品も販売されていますので、うまく利用すればダイエットを続けやすいのではないでしょうか。

ただ、先程お伝えしたようにたくさん食べればよいというわけではありませんし、過剰に摂取することによるデメリットもあります。

ダイエットとはいえ、やはりバランスが重要です。
適量を守ってダイエットにうまく取り入れましょう。

栄養を阻害しないためにおやつに寒天を食べる!

栄養不足になったり必要な栄養素の吸収を阻害せずに寒天をダイエットに取り入れるには、おやつの時間に寒天を食べると良いということでしたので、手軽に作れる寒天おやつのレシピを紹介します。

まずは、寒天コーヒーゼリーです。
カロリーゼロでヘルシーですし、ストローで飲めてしまうほどトロトロの食感がオススメです。

【材料】(1人分)
・寒天パウダー 2.5cc(小さじ1/2)
・インスタントコーヒー 7.5~10cc(小さじ山盛り1~)
・砂糖 お好みで(5cc~)カロリーゼロの甘味料でもOK
・水 225~250cc
・牛乳 お好みで(5cc~)

【作り方】
1)小鍋に水と寒天パウダーを入れ火にかけ、2分ほど沸騰させます。

2)インスタントコーヒーと砂糖を加え、溶けたら容器に入れて冷やします。

3)トロトロのゼリーになったら出来上がり。
お好みで牛乳をかけて召し上がってください。
牛乳の代わりにバニラアイスをのせても美味しいです。

もうひとつは寒天わらびもちです。

【材料】
・粉寒天 1g
・水 100~200cc
・砂糖 大さじ1
・片栗粉 大さじ2(同量の水で溶いておく)
・きなこ、砂糖 お好みで

【作り方】
1)鍋に粉寒天、水、砂糖を入れ煮溶かします。

2)水で溶いた片栗粉を加え数分間混ぜます。

3)器に入れて冷やし、スプーンなどでちぎります。
お好みできなこや砂糖をかけて出来上がりです。

適度な量でダイエットを成功させよう

どのような健康食品でも、摂りすぎはよくないですね。
何事も適度が一番です。

寒天も、せっかく健康にもよい食べ物であるのに、食べ過ぎて健康を壊してしまっては意味がありません。

体に良い食べ物ですから、ぜひ効果的に摂取していきたいですね。