青梅の季節になると、スーパーで青梅と一緒に氷砂糖や保存容器が売られていますね。
それを使って梅酒や梅シロップなど、手作りされる人が多いようです。
疲れた時などには、青梅の甘露煮が体に優しいですよね。
この青梅の甘露煮ですが、青梅を冷凍すると簡単に作れるのです。
短い期間しか出回らない青梅ですが、冷凍すれば好きな時にも作れます。
今回は冷凍青梅についてお伝えしたいと思います。
甘露煮にする前に青梅の下ごしらえ
梅シロップや梅酒、甘露煮を作るとき、生のままで作る場合が多いですが、青梅の状態で冷凍しておけばいつでも使うことができます。
また、冷凍することでエキスが出やすくなるため、生で作るより早くできあがりますし、例えば梅シロップの場合、発酵の心配が少なくなります。
以下の手順で下ごしらえしてください。
1)梅を冷凍する前には、大きな傷がある梅や傷んだ梅を取り除いておきましょう。
2)流水でしっかりと水洗いし、ザルにあけて水けをきっておきます。
あく抜きのために水に浸けておく必要はありません。
3)ザルにあけた梅はきれいなふきんやキッチンタオルを使い、水気をしっかりとふき取ります。
4)竹串・鉄砲串などを使い、水気を取った梅のへたを取ります。
へたをしっかり取らないと、えぐみが出ることがありますので、取り損ねないよう気をつけてください。
5)厚手の密封できる袋に梅を入れ、冷凍庫に入れます。
たくさんある場合は、袋に入れるとき、1kgづつの小分けにすると、後々使うときに量る手間が省けます。
甘露煮などを作るときの青梅や道具の選び方
冷凍した青梅で梅シロップや梅酒、甘露煮を作るのにはまず梅選びから始めましょう。
梅にもいろいろ種類や大きさがありますが、梅酒や梅シロップ作りには南高梅がよく知られています。
粒の大きい青梅のほうが果汁も多いですし、エキスの量も多いため、2~3Lサイズの青梅が扱いやすいです。
また、新鮮で傷の少ない梅を選んでください。
氷砂糖の存在も忘れてはいけません。
グラニュー糖など、他の砂糖でも作ることはできますが、氷砂糖は雑味が少なく溶けにくいため、梅のエキスをじっくりと抽出できます。
氷砂糖の量は梅の重さに対して、梅酒なら50~80%、梅ジュースなら梅の重さと同量用意します。
梅酒の場合、漬けるためのお酒も準備しましょう。
一般にホワイトリカー(焼酎)が知られていますが、アルコール度数35度以上のお酒なら、それ以外のお酒でも作れます。
ホワイトリカーのほか、ブランデーやウイスキー、ウオッカなどです。
ホワイトリカーは無味無臭で梅の風味がより味わえますが、他のお酒を使った場合、そのお酒の味によって出来上がりが変わってきます。
その他、広口の果実酒瓶も事前に用意しておきましょう。
梅の重さの4倍のサイズの瓶がちょうどいい大きさです。
冷凍青梅で簡単に甘露煮が作れる
ビタミンB群やクエン酸をたくさん含んでいる梅は、疲労回復・整腸・解毒効果などがあり、夏にぴったりの食べ物です。
そんな青梅を手軽に食べることのできる、青梅の甘露煮の作り方を紹介します。
甘露煮にしておけば、そのまま食べることもできますし、ゼリーや寒天などのお菓子に使ったり、焼き魚のつけあわせにもなります。
煮汁も水や炭酸水で薄めて、夏のさっぱりジュースにして飲めますよ。
材料は青梅500g(青くて硬めの大粒のもの)、砂糖(白砂糖でもグラニュー糖でも、どちらでも可)350~400g、水4カップです。
【作り方】
1)青梅は洗ってへたを取っておきます。
2)10か所くらい、種に届くほどの深さの穴を梅にあけます。
3)水気をよくふき取り、密閉できる袋に平に並べ、冷凍します。
4)ホーロー鍋などの厚手の鍋に冷凍した青梅・砂糖・水を入れて火をつけます。
5)沸騰したら、中火から弱火の強さで、灰汁を取りながら10分間煮ます。
6)火を止めてそのまま冷まし、冷えたら別の入れ物に移して保存してください。
甘露煮だけでなくシロップも作ろう
青梅エキスを手軽に摂るには、甘露煮以外にも梅シロップがあります。
梅シロップは冷凍梅を使うことで生の青梅を使うより早くできあがります。
材料は南高梅を冷凍したもの1kg、氷砂糖1kg、消毒用のホワイトリカー少々です。
4リットルサイズの果実酒用容器を熱湯消毒してよく乾かしておきましょう。
【作り方】
1)まず、果実酒用容器の全体をホワイトリカーに浸したふきんで拭きます。
2)冷凍したままの青梅を入れ、氷砂糖を乗せます。
3)再び青梅、氷砂糖の順で入れていき、最後は氷砂糖が一番上になるようにします。
4)蓋を閉め、冷暗所に置き、砂糖が溶け切るまで毎日数回、容器を動かして染み出たシロップに梅が浸かるようにします。
5)2週間ほどで砂糖が全部溶けたら、梅の実を取り出し、梅シロップの完成です。
※白い泡が出てきたら、発酵してしまったということです。
発酵してしまったら、シロップだけを鍋に入れ、灰汁を取りながら弱火で10分ほど火を入れます。
発酵が少しだけなら、火にかけなくても問題ありません。
完成前に発酵してしまった場合、漬けてまだ数日の場合は瓶に戻します。
6)できあがったシロップをガーゼや細かいざるで濾し、煮立たせないよう気を付けて弱火で15分くらい火を入れます。
7)煮沸消毒した清潔な瓶に移し、冷蔵庫で保存しましょう。
3か月くらい、保存できます。
冷凍青梅でカンタン梅酒作り
甘露煮以外にも、梅酒も冷凍した青梅で作ってみましょう。
材料は冷凍した南高梅1kg、氷砂糖500g(甘目がよければ800g)、ホワイトリカー1.8リットルです。
ホワイトリカーは、アルコール度数が35%以上なら、ほかのお酒に変えることもできます。
ブランデー、ウイスキー、ウオッカ、ジン、老酒など、お酒によって風味が変わります。分量はホワイトリカーと同じ、1.8リットルです。
【作り方】
1)4リットルサイズの果実酒用の容器を用意し、冷凍したままの青梅を入れます。
2)氷砂糖を入れ、再び青梅、氷砂糖と交互に入れていきます。
3)氷砂糖と青梅が全部入ったら、静かにホワイトリカーを流し入れ、しっかりと蓋を閉めます。
4)冷暗所に置き、砂糖が溶けるまで、週に数回容器を動かして中身を混ぜます。
5)氷砂糖が溶けたら、熟成するまで置いておきましょう。
6)梅の実は1年~1年半くらいで取り出します。
飲み頃は半年以上経ってからですが、あっさり風味がよければ、3か月後くらいから飲めます。
時間を置けば置くほど、熟成されてコクがでてきます。
冷凍していない青梅と冷凍青梅の違い
冷凍しなくても青梅の甘露煮やシロップを作ることはできますが、どう違うのでしょうか。
青梅のシロップで冷凍した場合・しない場合を比べてみました。
まずシロップの量はどちらもさほど変わりありません。
できあがりの早さ(砂糖の溶ける日数)は、冷凍した場合10日・しない場合14日と、冷凍した場合のほうが早くなります。
また、冷凍した場合は発酵する可能性が低いですが、しない場合は高いです。
問題の味は、冷凍した場合、しない場合より少しですが甘味や香りが弱い、酸味と苦みが少し強い傾向があるようです。
もっとも、加熱すると甘みも酸味・苦みも消え、ちょうどいい甘味になります。
では、結局どちらがいいかといえば、どちらにもメリットデメリットがあります。
青梅を冷凍しなければ、その日のうちに作り始めることができるので、冷凍庫の場所を取りません。
しっかりと青梅エキスが抽出され、甘みも香りもしっかり引き出せます。
反面、出来上がりに時間がかかりますし、梅が旬の季節にしか作ることができません。
梅シロップの保存期間は3か月ほどですし、冷凍しておけば場所は取りますが、いつでも作り足すことができます。
冷凍するかしないかは、梅の分量や保存場所なども考えて、自分にあったほうを選びましょう。
冷凍青梅を活用しよう
梅は栄養たっぷりで、疲労回復のために毎日摂取したいですよね。
梅干しの塩分が気になるという人に、梅の甘露煮やシロップはオススメです。
ソーダで割れば毎日でも飲みやすいですし、冬はホットにしてもいいですね。
今年の青梅がスーパーに出回りだしたら、挑戦してみませんか。