サツマイモを栽培するときのポイントはつるにあった

サツマイモの栽培は簡単で、家庭菜園でも人気の野菜です。

初心者にも簡単で、枯れた土地でも栽培でき、子供も喜ぶ野菜ですね。

サツマイモの栽培のポイントは、「つる」の部分です。

サツマイモ栽培のやり方やポイントなどをご説明します。

サツマイモを家庭菜園で栽培しよう

サツマイモは、甘くてホクホクで、子供に大人気の野菜ですね。

秋には芋掘り大会、大人になったら芋焼酎と、サツマイモのお世話になっている人は多いことでしょう。

そんなサツマイモは、栄養的にも優れています。

水分を除くと、およそ90%が糖質でイモ類の中でいちばん甘みが強く、加熱すると甘みは、より一層強くなります。

食物繊維の量が豊富で、ジャガイモの倍あります。

食物繊維の働きで便秘の解消や、肌荒れの改善など、女性にも優しい野菜です。

そのほかに、ビタミンCもリンゴの5倍以上の含有量があり、カロテン・カルシウム・ビタミンB1・B2・Eも豊富に含みます。

青い野菜と比べるとカロリーは高めですが、サツマイモのエネルギーは、お米の1/3以下になっており、満腹感も得られてカロリー摂取量も抑えられるので、ダイエットにも最適ですよ。

あまりいい土地でなくてもよく育つので、飢饉の際に、サツマイモによって飢餓を乗り越えた、ということもあったそうです。

栽培も簡単ですので、家庭菜園にもおすすめです。

サツマイモはつるが生えますが、つるが生える植物特有の栽培のコツがありますので、ご紹介しますね。

栽培しやすいサツマイモの品種

サツマイモは栽培すると、つるがどんどん伸びていってしまうので、ある程度の広い場所が必要です。

しかし、「つる返し」という作業を定期的に行うと、狭いスペースでもサツマイモを栽培することができます。
サツマイモは栽培が簡単で手間がかからず、暑さにも病害虫にも強く、家庭菜園初心者には、おすすめの野菜です。

育てやすい品種代表は「ベニアズマ」です。
食味を重視するならば、「紅小町」「金時」が良いでしょう。

育てやすく食味が良いのは、「紅さつま」「土佐紅」「鳴門金時」「ことぶき」「五郎島金時」「千葉紅」です。

それ以外の品種ですと、「春こがね」「べにまさり」「クイックスイート」などがあります。
実が、黄色くなるのが特徴です。

皮が白い「コガネセンガン」もあります。

品種は豊富ですので、気になったものを栽培してみましょう。
どの品種でも育てにくいということはなく、比較的よく育ちます。

栽培のための畑の準備とつるの選び方

それでは、畑の準備をしましょう。

サツマイモを植え付けるには、畝幅60~70cmの高畝で1列で植えるのが一般的ですが、家庭菜園ではこれをやるのは難しいと思いますので、畝幅はそのままで、2列で栽培します。

深く耕し、畝は高めに立てます。

そうしたら、黒マルチを張りましょう。
黒マルチは、地温を上げる役割や、雑草の抑制の効果が期待できます。

サツマイモの苗は、イモから出たつるの先端を切り取った状態の、根のないものが束になって売られています。
イモから苗を作ることも可能ですが、手間もかかり管理も大変ですので、家庭菜園でしたら、園芸店で苗を購入する方がよいでしょう。

良い苗は、茎が太くて葉色が濃く厚みがあります。

節の数は7~8くらいで、長さは20センチくらいのものを選びましょう。

しおれていない、元気な苗を選んでください。

植え付けまで苗を保存しておく場合は、浅く水を張ったバケツに苗を漬けて、日陰に置きます。

1週間程度はもちますよ。

サツマイモの植え方・つる呆けに注意

準備ができたら、いよいよ苗を植えていきましょう。

サツマイモは、苗の植え方によって、収穫できるイモの大きさや数量が変わります。

葉の付け根部分を多く埋めると、イモの数が多くなります。

小さなイモが、たくさんできます。
少なく埋めると、イモの数が少なくなり、ひとつひとつが大きなイモになります。

苗の植え方は、水平植えがおすすめです。

水平植えは、葉の付け根部部分を多く埋めるので、小さなイモがたくさんできます。
一般家庭では小さなイモの方が使いやすいので、こちらの方が良いでしょう。

水平植えの苗の植え付け方は、簡単です。

30㎝間隔で、マルチに切れ目を入れます。
苗を地面に水平になるように寝かせ、浅く埋めます。

注意点は、苗の葉が必ず、すべて地表に出るようにすることです。

苗を植え付けたら、土を根本に寄せて押さえ、水やりをしましょう。

サツマイモ栽培のコツは、できるだけ早く根を活着させることです。

活着するまでは、土壌が乾燥したときに、水やりをすると良いでしょう。

しかし、サツマイモは乾燥に強い作物ですので、活着したら水やりの必要はありません。

肥料も不要です。

肥料をやりすぎすると、つるばかり成長して、イモが育たない「つる呆け」という状態になります。

肥料がない方が、おいしいサツマイモができますよ。

サツマイモを大きく育てるためにつる返し

基本的に手間いらずで栽培できるサツマイモですが、おいしいサツマイモを収穫するために、大切な作業があります。

苗の植え付けから2ヶ月くらい経つと、つるが伸びてきます。

つるが伸びてきたら、「つる返し」という作業が必要になります。
伸びたつるを畝の空いているスペースや、真ん中の部分に動かすのです。

伸びたつるをそのまま放置しておくと、つるの節から根が出て根付いて葉が茂ってしまい、必要以上の養分を吸い上げてしまいます。

これが前項でお話した「つる呆け」という状態です。

そうなってしまうと、栄養分を奪われ、イモの収穫量が減ってしまいます。

これを防ぐために、ときどきつるを持ち上げて、つるの節から延びる根を引きはがすのです。
伸びすぎて邪魔であれば、途中で切ってしまっても大丈夫です。

家庭菜園などの限られたスペースでの栽培は、つるの管理も大変ですよね。

アサガオのプランターのように支柱を立てても栽培できますが、サツマイモのつるはアサガオと違って自力で支柱に巻き付きません。

少し手間ですが、麻ひもなどでしばって誘引する必要があります。

マンションのベランダなどで栽培したい場合には、このような方法でスペースを有効活用しましょう。

サツマイモの収穫と貯蔵

ついに、収穫の時期がやってきます。

収穫の目安としては、サツマイモの茎や葉が黄色くなってきたころを見計らいましょう。

サツマイモの生育は、その年の気候変動や気温などに左右されますので、収穫する前に試し掘りを行う方がよいでしょう。

そうすると、イモの大きさや収穫する時期が分かります。

試し掘りは、つるやイモを傷つけないように土をそっと掘り、イモを触って大きさを確認します。

イモの生育具合から収穫の時期を判断して、芋堀りの日を決めましょう。
必ず霜が降りる前の、天気が良い日に収穫してくださいね。

サツマイモは収穫してから、さらに甘みを増す作物です。

掘りたてよりも、収穫してから2~3週間おいてからのほうが甘みが強くなります。

デンプンが糖分に変わることで、甘みが増すのです。

できれば、1~2ヶ月貯蔵したほうが、水分が飛んで甘みが増します。

貯蔵の仕方は、収穫して半日ほど乾かします。

乾いたサツマイモをひとつひとつ新聞紙で包み、段ボールか発泡スチロールの箱に入れてふたをします。

上部に通気口を開けておきましょう。

家の中の日光の当たらない床下収納庫や廊下の隅など、温度変化の少ない冷暗所で貯蔵します。

自分で栽培したサツマイモが、とっても甘く成熟するのは、何よりも喜びですね。

調理方法は、低温でじっくり加熱がおすすめです。
よりいっそう甘みが引き出されますよ。

サツマイモの栽培は子供にもおすすめ

最近では、子供が土に触る機会が減ってきていますね。

自分で栽培したサツマイモを自分で芋掘りするという体験は、子供にとっても大切な思い出になることと思います。

サツマイモは栽培が簡単ですので、初心者の人やお子さんがいるご家庭にも、とってもおすすめです。

ぜひ、挑戦してみてください。