夜の食事は太るとよく言われますよね。
最近では、夜に白米などの炭水化物を食べないというダイエット法も人気です。
ここでは、夜の食事は太ると言われる理由と、白米(炭水化物)のはたらきなどをはじめに紹介します。
また、白米を抜くダイエットをする場合の正しい方法もお伝えします。
夜の食事は太ると言われる理由
夜に白米を食べると太ると言われるのはなぜでしょうか。
大きく3つの理由があります。
1つ目は、夜は新陳代謝が悪くなることです。
昼間は体を動かすため、自律神経が交感神経優位なのですが、夜は副交感神経の方が優位になり、リラックスした状態になります。
そのため、新陳代謝も悪くなってしまうのです。
2つ目は、夜食は脂肪に変わりやすいということです。
夜は、脂肪を分解させる副腎皮質ホルモンの分泌量が減るため、食べたものがエネルギーではなく脂肪になってしまいます。
3つ目は、夜の食事はエネルギー消費が低いことです。
夜はDIT(食事誘導性熱産生)が減少し、消化管が活動する力が減り、同時にエネルギーの消費も低下してしまいます。
夜食として食べても良い食べ物を紹介します。
200kcal以下の低カロリーのものや、胃腸に負担がかからない消化の良いものや温かいもの、満腹感を得やすい水分の多いものなどです。
逆に夜食として食べないほうがよいものには、消化が悪い油分の多いものや胃への刺激が強い香辛料を多く含んだもの、消化に時間がかかる食物繊維の多いものなどです。
炭水化物も消化が悪い食べ物とされています。
白米などの「炭水化物は太る」と言われる理由と体脂肪率
夜食は太ると言いますが、そもそも昼夜を問わず「炭水化物は太る」というイメージがある方も多いかもしれません。
でも、実は白米に含まれる炭水化物は、体内では多糖類の一種であるグリコーゲンという形で貯蔵され、基本的には脂肪に変わることはありません。
炭水化物は人間の体にとって最も扱いやすいエネルギーなので、エネルギー源にならない脂肪に変わるのは「もったいない」と体が判断するためです。
また、グリコーゲンはかなり重い成分のため、炭水化物を摂取すると体重が増えますが、健康に悪い影響があるわけではありません。
逆に、炭水化物を摂取しないと、体内のグリコーゲンが大脳のエネルギー源として消費されるため体重は軽くなります。
また、人間の体はグリコーゲンを使い切ると、筋肉を分解して炭水化物に変えようとします。
このことから、「炭水化物を摂ると太る」「炭水化物を食べないと痩せる」という勘違いが起きてしまっているのが現状です。
グリコーゲンの重量は1日に1kgほど上下することがあるのに対して、脂肪は1日に100gも上下しないため体重ばかり気にしていると勘違いが起きてしまいます。
気にするべきなのは体脂肪率なのです。
ダイエットの目標は体脂肪率にすることが大切です。
白米などの炭水化物を食べないと痩せるのは本当?
「炭水化物を摂らないと痩せる」というイメージがあるかもしれませんが、実際、体重は落ちるけど脂肪は落ちません。
炭水化物を食べないことで落ちるのは、水分と筋肉だけです。
そうすると、代謝が落ちて体脂肪率が上がるだけでなく、筋肉が落ちることでリバウンドしやすい体になり、リバウンドすると脂肪が増えます。
体重だけを気にしていると、元に戻ったような気になりますが、実は筋肉が減って脂肪が増えているので、メタボに近づいているのです。
それでも炭水化物を抜き続けると、最近の若い女性に多い「隠れ肥満」になってしまいます。
隠れ肥満とは、体重は平均より低いのに、体脂肪率が高い状態のことです。
痩せるためには、昼夜問わず白米などの炭水化物をむしろ多めに摂った方が良いことが分かりますね。
人間の身体は、炭水化物の摂取量が多ければ代謝を上げてエネルギーを無駄遣いしようとします。
逆に炭水化物の摂取量が少なければ、代謝を下げて脂肪を溜め込もうとしてしまいます。
炭水化物の摂取量が基準となる理由は、大脳などのエネルギー源が炭水化物だからです。
痩せるには、夜に白米を食べないことより運動が大事!
炭水化物を食べるか食べないかで代謝の上下が決まります。
たんぱく質や脂肪にはこの効果がないため、炭水化物の摂取量は変えずにたんぱく質と脂肪の摂取量を減らすことがダイエットに効果的と言えます。
総摂取カロリーの少なくとも半分以上、できれば6~7割程度を炭水化物から摂取するのが理想です。
つまり、総摂取カロリーよりも、総摂取カロリーの中で炭水化物が占める割合が大切なのです。
実際に、高度経済成長期の日本人は、現在より1日500kcal以上多く摂っていたと言われていますが、当時はメタボ体型の人はほぼいませんでした。
総摂取カロリーの約7割が白米による炭水化物だったからです。
本気のダイエットをするときには、朝昼夜の食事制限よりも運動の方が重要です。
運動をすると、食欲と代謝をコントロールして体重を保つ自律神経が活性化するためです。
自律神経がきちんと働いている限りは、勝手に理想の体型を維持できるのです。
メタボや肥満は、過食によるカロリーオーバーが原因のように見えますが、実際には自律神経が機能低下することによって、食欲と代謝のコントロールができなくなることが原因なのです。
白米を食べない炭水化物抜きダイエットをするなら夜
炭水化物を抜くダイエットはとても簡単です。
炭水化物の多い白米やパン、麺類を抜くだけでダイエットになるからです。
また、いも類や果糖が多い果物、甘いお菓子や飲み物などを控えることも大切です。
炭水化物抜きダイエットは、脂肪を燃焼しやすくするため、糖質を含まない野菜などのおかずは食べても大丈夫です。
そのことから、長く続けやすいダイエットと言えるでしょう。
炭水化物を抜くことによって、中毒の改善や血糖値のコントロールもでき、肥満の原因を無くすことができます。
ただ、毎食の炭水化物を抜いて一切摂取しないというのは、絶対にしてはなりません。
炭水化物も重要な栄養素の1つです。
肺の粘膜や神経組織の内膜など、炭水化物から摂れるブドウ糖を栄養源としている臓器もあるからです。
白米などの炭水化物を食べないのは、寝る前の夜だけにして、朝昼は炭水化物を摂るなど、1日を通して栄養のバランスがとれた食事をしていくことが大切なのです。
朝や昼に炭水化物を抜いてしまうと、脳のストレスになってしまい、集中力が続かなかったりと悪い影響がでてきてしまうので、炭水化物は夜だけ抜くことがオススメです。
白米(炭水化物)の代わりになる食品を紹介
炭水化物を食べないダイエットをしているときに、白米の代わりになる食品を紹介します。
豆腐は優良なたんぱく質を摂取することができ、白米の代わりに炒めてチャーハンにすることができます。
また、キヌアは、糖質が白米の3/4で栄養価が抜群なのでオススメです。
キヌアは通常の精白米に比べて少ない炭水化物のわりに、2倍のたんぱく質、5倍の良質な脂質、8倍の食物繊維、6倍のカリウムなど栄養を多く含んでいます。
それだけでなく、必須アミノ酸のバランスも牛乳にと同じぐらい良質で、低GI値です。
キヌアだけでいきなり痩せる食材ではありませんが、他の健康的な食材と組み合わせることで健全に減量することができます。
NASAの専門誌によると、「キヌアは植物界、動物界において、人間にとって必要なすべての栄養素を提供する食材にもっとも近い食材」であると言われています。
それから糸こんにゃくやしらたきもダイエットに効果的です。
こんにゃくはほとんどが食物繊維でできています。
繊維質が多く含まれているため、ダイエット中にお通じも良くなり、また朝でも昼でも夜でも茹でて麺の代わりとして使うこともできます。
痩せるには、白米と運動!どうしても抜くなら夜だけがベター
白米は太るというイメージがあった方も多いと思いますが、白米などの炭水化物は体にとって大事な栄養源であることがご理解頂けたと思います。
また、痩せるには食事制限だけでなく、運動をすることも重要です。
炭水化物ダイエットをする際には、夜だけ抜くようにしてください。