梅の季節がやってくると、スーパーなどに、沢山梅が並んでいますよね。
梅は、酵母にも最適だと知っていましたか?
酵母には、「発酵」という働きがあり、パン酵母やビール酵母、日本酒酵母など色々な食品をつくる際に役立っています。
今回は、香り高い梅酵母の作り方を紹介したいと思います。
是非、作ってみて下さい!
梅の歴史!青梅は危険なの?
梅という言葉だけでも唾液が分泌してしまいますが、梅が日本に伝えられたのは、奈良時代といわれます。
バラ科サクラ属、落葉高木、またはその果実のことで、特徴は他のフルーツにはない強い酸味で、紀元前から中国では酸味料で用いられたりしていて、塩と梅は最古の調味料といわれています。
「塩梅(あんばい)」という言葉がありますが、その意味は、丁度よい味加減や調整という意味で、元は梅と塩の味付けが上手くいったことを表す言葉でした。
また、優れた薬効から薬の木として日本に伝来したといわれます。
青梅は青酸が含まれているので危険だといいますが、それは青梅の実ではなくて、核(種)に含まれるシアン酸(青酸)のことで、未熟な梅や青梅の場合、核(種)が柔らかいので実の方までそのシアン酸(青酸)がしみでてきます。
そのため青梅は食べてはいけないといわれています。
ただ、中毒の危険と言うのは、未熟な種子を大量にかみ砕きその酵素を併せて摂るような特殊なケースに限られるということです。
心配なのは、青梅を口にしてしまった場合ですが、青梅の実を幼児などがかじってしまった程度では、ほぼ心配はないといわれています。
そして、梅干しの種の中身や梅酒を付ける時の青梅は、塩分やアルコール、天日干しをした時の熱で酵素が失活されるので、毒性が低下しているということです。
また、今話題の完熟梅で作る梅酵母は、作り方も簡単で色々な効果が期待できます。
代表的な梅の種類
梅の大部分は梅干しや梅漬けとして消費されますが、その他に梅は多くの製品に加工されています。
昭和63年に梅干しの生産量の急増後は増減していますが、一世帯当たりでの購入の量は緩やかで、急に増えた生産量の大半は、外食産業が近年に急成長したため消費した形です。
梅干しの購入量は、世帯主の年齢が高いほど多くなり、45歳~59歳の層が最も多く購入しています。
梅の代表的な種類
南高梅…白い色の一重の花で2月上旬~下旬に開花し、果実は大粒で25g~32gが平均で、皮が柔らかで果肉が厚い最高級品です。
緑色の果実ですが、完熟してくるとだんだんと黄色くなり、太陽の当たるところは鮮やかな紅色になります。
原産は和歌山県の南部町で、青どり、干し梅の両用品種です。
開花した後も寒さに強くて農産性もあり、風土に適している優秀な品種として認められて、和歌山県の奨励品種や国の農林種苗登録品種になっています。
古城…白色の一重の花で、やや遅い開花期の6月上旬からが収穫期になります。
25g~30g位の緑色の果実で、種子が小さくて果肉が厚く、耐病性もあり一級品の青梅です。
古城は、和歌山県で栽培が多く、梅酒やジュースに向いています。
小粒南高… 大きさは16g~25g位で、南高梅と同品質で多くが受粉樹用として植えられています。
後程、美味しい梅を使って作る梅酵母の作り方をご紹介します。
梅の効果・効能
梅の効果と効能は、「梅は三毒を断ち、朝夕に1個食べると、難を逃れることができるので医者いらず」といわれていて、その三毒とは、水の毒や食べ物の毒、血液に溜まった毒のことをいいます。
梅の実には、強力な抗酸化作用や収斂作用があり、健康食品や様々な製品に加工されていますし、漢方薬の原材料にもなっています。
梅の成分は、豊富な有機酸で、クエン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸などが、梅の酸味になっています。
その薬効は、殺菌、抗菌、疲労回復、腹痛、下痢などに効果があります。
クエン酸は胃腸の働きを整え、食欲増進効果や、タンパク質の消化をサポートしたり、悪玉の腸内細菌抑制や整腸作用にも役立ちます。
疲労回復や老化防止、乳酸が血中に溜まるのを防いだり、血流促進の効果で肩こりや腰痛など筋肉疲労も緩和します。
また、カルシウムと結合することで、骨の強化や鉄の吸収を促進して血行もよくなります。
梅には、ビタミンA、B1、B2、Cなども含まれていて、二日酔いや風邪にも効果があり、カルシウムやカリウム、リンなどのミネラル類も含まれているので、梅はバランスがとてもよい食材といえます。
次は、梅酵母の作り方の前に、酵母の基本の情報をお話します。
梅酵母の作り方を知りたい!酵母ってどんなもの?
酵母は、植物や果物、樹液、花蜜など自然界にある微生物の一種で、カビやキノコと同じ真菌類に属します。
小さな単細胞の酵母は直径5㎛で、動植物のように遺伝情報を細胞内の核に持っていて、糖質をアルコールと炭酸ガスに分解、分裂して成長しますが、このような働きのことを「発酵」といって、昔から酵母は食品に加工して私達の身近にありました。
今では、日本酒の酵母やビール酵母、パンの酵母などの他に、酵母は350種類以上もあることが分かっていますし、様々な食品を作る時に使います。
パン酵母は、乾燥したドライイーストとしても知られていますね。
酵母に含まれる栄養素は、タンパク質やビタミンB群、ビタミンD、葉酸、などです。
ただ、熱に弱い酵母菌は、温度60℃前後で10分位で死滅するので、生のものや新鮮なもの、発酵食品を食べることで酵母を効率よく摂ることができます。
酵母の健康効果は、糖質の吸収抑制や便秘改善、免疫力向上、疲労回復などがあります。
次は、栄養素も豊富でバランスもよい梅酵母の作り方をご紹介します。
梅酵母の作り方!
カリカリ梅を漬ける時などに、傷んだ梅が入っていることがあります。
そのような時は、その傷んだ梅を使って芳醇な香りの梅酵母を作ってみてはいかがでしょうか。
使用する梅は、梅酒や梅干しを作る時の傷んだ梅で十分です。
梅酵母の作り方
材料
梅100g 水道水150g はちみつ5g
作り方
1.サッと水で洗った梅に竹串で穴をあけたら、水とはちみつを入れて、室温20℃のキッチンカウンターなどに置き様子を見ましょう。
2.翌日に発酵しはじるめると、完熟の梅が上に浮かんで香りがしてきますので、もう一日様子を見ます。
3.キッチンに梅の香りがただよい、完全に梅も浮き上がって、3日目で完成です。
4.茶こしで酵母液と実を分けると、164gの酵母液ができました。
5.酵母を作った後の梅の実は、梅ジャムを作りますが、種を取り砂糖を入れて煮るだけですので簡単です。
6.はちみつと種で、梅ハニーも美味しくできます、
ポイント
梅の風味は種類によって違います。
水の量は適量でよいですが、水から梅がでてしまわないように注意しましょう。
梅酵母を使った揚げパンの作り方!
梅酵母のもっちり揚げパン
材料 (作りやすい量)
二次種120g 強力粉250g 砂糖大さじ2 水120~150ml 揚げ油 適量、ソーセージ、コーンなど適量、きな粉味(きな粉大さじ3 砂糖大さじ2強 塩一つまみ)
作り方
1.酵母種、粉、砂糖、水をボールに入れて混ぜてよくこね、伸びがでてつるりとした生地になるようにしますが、気温や種などその時の状況で、水を加減します。
2.濡れ布巾をかけ一次発酵させますが、低温の場合は、鍋にお湯を沸かして、鍋の上に生地が入ったボールをのせて、ボールがお湯に浸からないように調整しながら発酵させます。
3.ガス抜きして、20分位のベンチタイムをとりますが、使用したボールを逆さまにして生地にかぶせましょう。
4.好きな大きさに丸めますが、ドーナツ型でもよいですし、具材はコーンとミニソーセージで、残りはプレーンできな粉味にします。
5.二次発酵で寝かせ一回り大きくなってから油で揚げますが、カットしたシートごと油の中に入れます。
シートは自然に剥がれますし、揚げてる時にも生地は膨らみます。
6.きな粉味の材料をボールまたは耐熱性のある袋に入れ、油を切ったプレーンの揚げパンを入れ中で転がしながら、熱いうちに全体にまぶしましょう。
ポイント
生地の発酵時はゆっくり焦らず待ちましょう。
プレーンにはちみつをたらしても美味しいですし、梅酵母で作った揚げパンは、香りもよく食感ももっちりです。
梅酵母を手作りしてみよう
いかがでしたか。
梅が好きな人、苦手な人って分かれると思います。
しかし、梅は、私達人間の体に必要な栄養素が沢山含まれています。
また酵母の働きにも、肝機能強化や美肌効果が期待できると言われています。
健康増進の為にも、手軽に作れる梅酵母を、是非作ってみて下さい。