お米を生産している国は、日本以外に世界でたくさん生産されているってご存知でしたか?
日本はお米が主食の和食が基本ですが、世界でのお米の食べ方についてお話したいと思います。
日本とは異なるお米料理がたくさんあります!
お米に含まれる栄養とは?
日本は米を主食とする国です。
世界には米を食べる文化のある国は日本以外にもたくさんありますが、調理法は国によって様々です。
ここでは世界の国々と米の食文化について紹介します。
まずは、米に含まれる栄養成分について解説します。
米は稲の種子で、小麦、トウモロコシとともに世界三大穀物のひとつです。
稲の原産地はインドや中国など諸説あり、日本に伝わったのは縄文時代後期とされています。
米の主成分である炭水化物は素早くエネルギー源に変わります。
さらに各種ビタミンも含まれ、身体を活性化したり、神経機能を正常化したりする働きがあります。
ミネラルも含まれ、量は少ないですが毎日食べるものなので健康維持に役立ちます。
収穫した米からもみがらだけを取り除いた米を玄米と言いますが、白米にはない米ぬかを含んでいるので白米よりも含まれる栄養価は非常に高いです。
特に玄米にはビタミンB1、ミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。
ビタミンB1は白米の5倍、食物繊維は白米の6倍、カリウムは白米の2.5倍、葉酸は白米の2.2倍、鉄分は白米の2.6倍含まれています。
お米を主食とした和食は健康食?
現在、日本以外の国でも和食は健康食として関心が高まっています。
米を主食とする和食は「一汁三菜」すなわち「主食、主菜、副菜、汁物」という構成が基本となっています。
そしてこれらを構成するものとして魚、大豆を中心とした豆類、野菜が多く使われているので脂肪が少ないことが特長です。
確かに米そのものは他の穀物と比べて、特に栄養価が高いということはありません。
米ぬかには栄養価が高いものが多く含まれていますが、炭水化物が米の大部分を占めているという点では他の穀物と変わらないでしょう。
しかし、米は他の食材との相性が良く、その点ではパンや麺類をしのいでいます。
実際、米に合わない食材は少ないのではないでしょうか。
このように、米は様々な食材との組み合わせが可能なので、必要な栄養素を普段の食事から無理なく摂取出来るのです。
一方で欧米型の食事では、糖分や飽和脂肪酸を過剰に摂取してしまう傾向にあり、カロリーが高いわりに必須栄養素が不足しがちになるという欠点があります。
栄養素とカロリーのバランスが取れている和食は、自由で健康に配慮した食事と言えるのです。
様々な国で作られるお米の種類について
米を主食とする和食は健康効果の高い理想的な食事として世界でも関心が高まっていますが、日本以外の国でも米は生産されています。
世界で生産されている米は、大きく分けてジャポニカ米、インディカ米、ジャバニカ米の3種類があると言われています。
それぞれの米の特徴を解説します。
・ジャポニカ米
日本で栽培されている米です。
粒が短く楕円形で、炊くとねばりが出るのが特徴です。
特に味付けをしなくても美味しく食べられるので、他の食材とともに食べるという文化が生まれたのでしょう。
中国、韓国、アメリカ、ヨーロッパの一部でも生産されています。
・インディカ米
世界で生産量の80%を占める、最も生産量が多い米です。
粒が細長く、炊くと香りが出て、ねばりが少ないのが特徴です。
炊くというよりは煮て食べられていることのほうが多いようです。
ピラフやパエリアなどの人気料理には欠かせない米として知られています。
インディカ米は種類が多く、日本でも知られたタイ米はインディカ米の一種です。
・ジャバニカ米
インドネシアなどの東南アジアや中南米、イタリア、スペインなどの熱帯や亜熱帯の地域で栽培されている米です。
粒が幅広で大きく、炊くと少しねばりがあるのが特徴です。
パエリアやリゾットなどの料理に使われます。
お米が主食の国の調理法法は?
前項のように米にはいくつかの種類がありますが、米を主食とする日本以外の国ではどのようにして米を料理するのか、解説します。
・適量の水で炊く
日本や中国、朝鮮半島などで古来行われてきた方法で、炊き干し法とも呼ばれます。
最近は電気炊飯器の普及で、その他の東南アジアや中近東などの地域でも行われています。
研いだ米に適量の水を加えて吸収させてから加熱して蒸らすという方法です。
加える水は、日本の場合、容量にして米の1.2倍、重量にして米の1.5倍です。
水分の多いジャポニカ米に適した調理法で、水分の少ないインディカ米は水に浸ける時間も長めにし、加える水も容量にして1.3倍~1.5倍にします。
・たくさんの水で茹でる
水分の少ないインディカ米に適した調理法で、炊く場合は水分をすべて吸収させてしまうのに対し、この方法では、ゆで終わった後の水は捨てます。
沸騰した湯に流し込むようにしながら米を入れ、鍋底にこびりつかないようにかき混ぜながらふたをしないで茹でます。
茹であがったらざるにあげて水気を切ります。
・たくさんの水で茹でてから蒸す
タイやベトナムなどの東南アジアで昔から行われてきた方法で、湯取り法とも呼ばれます。
研いだ米に米の量の3倍~5倍のたくさんの水を加え加熱し、数分茹でてから湯を捨て、ふたをして再度過熱して蒸すという方法です。
お米を主食にする国の調理方法は他にもあるの?
米を主食とする日本以外の国での米の調理法はまだまだあります。
・たくさんの水で時間をかけて炊く
米を炊く時の水分の量を多くしたもので、日本、中国、朝鮮半島、インドなどで行われる調理法です。
炊きあがったものは日本では「かゆ」と呼ばれます。
米と水の割合によって名前が違います。
全粥:米1に対して水5~6
七分粥:米1に対して水7
五分粥:米1に対して水10
三分粥:米1に対して水15~20
・米を油で炒めてからブイヨンを加えて煮る
主にイタリア料理の調理法で、リゾットを作るときに用いられます。
オリーブオイルを熱して玉ねぎのみじん切りと米を一緒に炒めてから、ブイヨンを加えかき混ぜながら煮ます。
・米を油で炒めてからブイヨンを加えて炊く
ピラフやパエリアを作るときの調理法です。
上記のリゾットがブイヨンを少しずつ加えながら煮るのに対し、この調理法は一度にブイヨンを加えてふたをして炊きます。
パエリアは米を炒めた後ふたをせずに加熱します。
ちなみにリゾットもピラフも米を炒めるのに対して、炒飯は炊いた米を炒めます。
お米を主食とする国のお米料理にはどんな種類があるの?
最後に、日本以外の国での米を使った料理を紹介します。
・サルマ
米とみじん切りにした野菜とひき肉を塩漬けキャベツやブドウの葉で巻いて煮込んだクロアチアやバルカン諸国の料理です。
・ビビンパ
炊いたご飯に野菜、玉子、肉を盛りつけ、混ぜて食べる、日本でも人気の高い韓国の料理です。
・サフランライス
米を水牛のバターで炒め、サフランを加えて炊き、黄色く染まったご飯をカレーに添えるインドの料理です。
・カオ・パット・サパロット
サパロットとはパイナップルのことです。
パイナップルの入った、タイ風焼き飯です。
・フォー
米で作られた麺、フォーをヌックマムというベトナム風調味料で味付けして、牛骨や鶏がらスープとともに食べるベトナムの麺料理です。
・ラクサ
米の麺とマレー料理の魚やエビからとっただしを使った、マレーシアやシンガポールの料理です。
マレーシアはイスラム教圏なので、豚肉を使わないマレーシアでの代表的な料理です。
この他にも米を使った料理は世界各地にあります。
日本では主食としての米は主に炊いたご飯というイメージがありますが、世界ではこれだけ違った形で米が調理されているのですね。
お米を食す国は意外と多い
いかがでしたか。
世界でお米を食べる国は、意外と多い印象を受けますよね。
お隣韓国でビビンバなどでお米を食べたり、パエリアなどは有名ですが、世界にはたくさんのお米料理が存在しています。
日本での調理方法とは随分異なるので、興味のある方は世界各国の米料理を自分で調理してみると面白いかもしれませんね。