さくらんぼ・・・皆さんは好きですか?
さくらんぼの旬は6~7月上旬です。
そんなさくらんぼ狩りを楽しみに、生産地に出掛ける方も多いのではないでしょうか?
甘くて美味しいさくらんぼは、他のフルーツと比べて少し値段が高いですよね。
食べ終わったさくらんぼの種を土に埋め、発芽させて、沢山実がなるといいな・・・って思ったことありませんか。
しかしながら、さくらんぼの種は、非常に発芽しづらいのです!
今回は、発芽率を上げる為のポイントを紹介します。
さくらんぼの概要&栄養と効能
初夏を感じる頃になると店頭に並ぶさくらんぼ。
もともと桜の実を表す「桜ん坊」から来たというのはご存知ですか?
私たちはさくらんぼと呼んでいますが、学術的には「桜桃(おうとう)」と記されています。
さくらんぼにはいくつか種類があり、「セイヨウミザクラ」「スミミザクラ」「シナミザクラ」の3つが代表的です。
発芽して花が咲き実のなる桜だから「ミザクラ」なんですね。
店頭にあるのは、ほぼセイヨウミザクラです。
国内で販売されているさくらんぼには国産のものと米国産があります。
甘酸っぱくてさわやかな日本産と赤みと甘みが濃いアメリカンチェリー、好みは分かれますがやはり日本産の方が高い人気です。
繊細で上品な味わいは日本産ならではですね。
そんなさくらんぼですが、栄養的にはどうでしょうか?
100gあたりで換算するとカリウム(国内産:210mg、米国産:260mg)、葉酸(国内産:38mcg、米国産:42mcg)となっています。
日本産と米国産では、ほぼ差はありません。
その他アントシアニンやソルビトールを含みます。
カリウムは余計な水分を排出し動脈硬化やむくみ予防に効果があり、葉酸は最近では妊婦さんに必要な栄養素ということで注目を集めている成分です。
ソルビトールは虫歯や便秘予防の効果が期待できます。
アメリカンチェリーは特にアントシアニンが豊富に含まれ、目の疲れの軽減や抗酸化作用によるアンチエイジングに有効と思われます。
種から発芽する?発芽可能な果物一覧
さくらんぼ以外にも自宅で採れてうれしい果物や野菜などは、どれくらい発芽しやすいのでしょうか。
◎ビワ
大きくて硬い種ですが簡単に発芽します。
結実は4~5年
〇桃
割って中身の薄皮を剥くと発芽しやすいです。
結実は3~4年
〇トマト、ゴーヤ等のナス科ウリ科
簡単に発芽し収穫も早いです。
△マンゴー
発芽した後、冬を越させないといけないので室内に入れられるように鉢植えが望ましいです。
△柑橘系
発芽は早いのですが収穫まで時間がかかります。
例を挙げると
・キンカン・グレープフルーツ
収穫まで25年以上かかり、枝にはトゲがあり危険です。
・ゆず
庭先でなっているのをよく見かけますが、実際には18年かかります。
柑橘系は種から育てると収穫まで10年ほどの時間が必要です。
挑戦するなら、お子様の成長と合わせて楽しむシンボルツリーのような感覚で育てるといいでしょう。
×イチジク
ドライフルーツのイチジクからでも発芽しますが、外国産の種ではその品種独自の花粉を媒介する虫が必要なため日本では結実しません。
また、イチジクはコンクリを割るほど根が強い為植える場所には注意が必要です。
×ライチ
冷凍のものからでも発芽しますが、結実しません。
×アボカド
雄花と雌花の開花に時間差があるため2本植えなければ結実は難しいです。
肝心のさくらんぼですが、割って薄皮を剥けばある程度の発芽はします。
結実するまで7~10年待ちましょう。
栽培してみたい!こんな果物も種から発芽可能!
さくらんぼなどのバラ科植物は、冬を越させるなど低温を経験しないと発芽率が悪いこともあります。
〇ウメ・アンズ・かりん・スモモ
桃と同じく硬い種は割ってから蒔くのがいいでしょう。
〇ブルーベリー
冷凍しても発芽するようです。
種は茶色のものを選んでください。
2株あると実が付きやすいです。
〇キウイ
発芽率は良いです。
雄株と雌株があるので2株植え、花粉は人工授粉させましょう。
〇パイナップル
種が小さく取り出しにくいので、葉の付いている上部3センチほどを果肉の付いたまま植えます。
△ブドウ
小さな種ですが発芽します。
つるが伸びるので這わせる棚を作ると無難です。
△リンゴ
バラ科なので一度低温で保存してからがいいです。
ただ、寒い場所でしか育ちません。
△パパイヤ
寒さには弱いです。
雄花だけ又は雌花だけが咲く株の場合があるので、注意してください。
全部が雄株だと実はなりません。
面白いことに、受粉しなくても雌株だけなら実が出来ます。
ただし、あまり美味しくはないそうです。
ドラゴンフルーツなどの、ヌルヌルが種子についているものはきれいに洗ってから蒔いてみてください。
さくらんぼの種からの発芽率を上げるポイントは?
さくらんぼを種からきちんと育てたい!でもきちんと育つのでしょうか。
基本的な方法としてはまず
1)種をきれいに洗ってからすぐに土に蒔きます。
乾燥してしまうと発芽しなくなってしまいます。
2)蒔いてから次の春(6月ごろ)になるまでは発芽しないので、乾燥させないように与える水分量に注意してゆっくり待ちます。
3)通気性水はけが良く、なおかつ水分が程度に保てる場所に蒔きましょう。
土は肥料分がない方が良いので、ホームセンターなどで用土を購入すると手軽です。
4)種に寒さを感じさせることも必要ですので、一度外で冬を越させます。
最低でも1か月は水が凍る程の寒さにさらしておきましょう。
5)春に芽が出なくても焦ってはいけません。
数年たってから発芽するものもあります。
このように少し手がかかるさくらんぼ栽培ですが、なぜかというと美味しいさくらんぼほど発芽や成長がしにくくされているのです。
たしかに、美味しいさくらんぼが手軽に自宅で栽培出来たら、さくらんぼ農家さんもたまったもんではありませんよね。
品種改良されていないさくらんぼの方が発芽率はぐんと上がりますが、小さくてもかわいらしいさくらんぼの収穫を夢見てがんばりましょう!
美味しいさくらんぼの選び方と保存の方法
自分で蒔いたさくらんぼの種が発芽して実を結ぶまでは、買って食べるしかありません。
お店で購入する時の美味しいさくらんぼの見分け方をご存知でしょうか。
食べごろを見極めるには、まずさくらんぼの色を見ます。
赤く色づき、皮がパンッと張って艶やかなものが美味しいサインです。
表面にキズがあるもの、色が変わり始めているものはやめましょう。
さくらんぼはバナナなどのように追熟しませんので、青っぽく熟していないなと感じるものもやめましょう。
アメリカンチェリーの場合も、黒いくらいに赤色が濃いものが甘みも濃いです。
また、枝の部分を見ても鮮度が分かります。
摘みたての緑色がはっきり、軸がしっかりとしているものが新鮮です。
さくらんぼはミカンなどと同じく粒の大きさによってもお値段が変わります。
無選別のバラ詰めパックもありますが、大きな粒ほど高価になります。
新鮮なさくらんぼを購入しても、保存方法が良くなければすぐに傷んでしまいます。
本来ならば常温保存2日以内で食べきることが一番良いのですが、数日に分けて味わいたい場合は新聞紙やキッチンペーパー等に包んで涼しい場所に置いておきましょう。
冷蔵庫に入れると実が硬くなるのでオススメしませんが、入れる場合は野菜室で2~3日保存するに留めてください。
初夏の陽気を感じ冷えたさくらんぼが食べたいという場合は、直前に冷蔵庫に入れて冷やす方が良いでしょう。
さくらんぼはどんな料理に適しているの?さくらんぼジャムを作ってみよう
さくらんぼはそのまま食べるのが一番ですが、食べ方をアレンジしてみるのもオススメです。
甘ずっぱさや鮮やかな色合いを生かした冷たいスイーツ、そのままジュースにして牛乳や炭酸で割ってみたりなどあります。
ここでは、手軽にできるさくらんぼジャムのレシピを紹介します。
【材料】
・さくらんぼ約200g(国産でもアメリカンチェリーでも)
・グラニュー糖80g(さくらんぼに対し半分弱 だいたい40%程度)
・レモン汁10g
【作り方】
1)さくらんぼをよく洗い、軸と種を取ります。
種は取っておいてください。
2)実にグラニュー糖5gをまぶし、置いておきます。
3)しばらくすると水分が出てくるので、レモン汁を加え鍋に入れて中火にかけます。
4)アクが出たら、こまめに取り除き残りの砂糖を加えて10分くらい煮ます。
5)煮汁と実を分けてください。
6)さくらんぼはとろみの元となるペクチンが少なく固まりにくいので、種をガーゼに包んだもの(お茶パック等)を煮汁に入れ、トロミが出るまで煮詰めます。
7)お好みのトロミになったら、さくらんぼと合わせて消毒した容器に入れて完成です。
他にもドライフルーツにできるかと考えて調べてみましたが、自分で作るには少々手間がかかり難しいようです。
さくらんぼは収穫してから時間が経つと甘みも減り色も悪くなってしまいますので、生で食べるのはもちろん、加工する時も新鮮な状態で作るのが一番です。
発芽から手掛けたさくらんぼで作れると美味しさもひとしおですよ。
さくらんぼは鮮度に敏感
いかがでしたか。
さくらんぼは発芽させるだけでも大変で、収穫するまでに多くの手間暇がかかるのですね。
数も出回らなく、高価な理由も納得できます。
そんなさくらんぼは、急激な温度差に弱くてとてもデリケートな果物です。
美味しいさくらんぼを一番美味しい状態で食べられるといいですね。