私達日本人は、イカが大好きですよね。
刺身や焼物、揚げ物などの沢山の調理法で、イカの美味しい料理を食べています。
そんなイカの代表的な食べ方の1つの、刺身を食べる際に気をつけて欲しいことが・・。
それは、イカなどの魚介類の内臓部分に寄生しているアニサキスです!
今回は、寄生虫のアニサキスについて、アニサキス症の治療や対処法などを紹介します。
刺身で食べる時は気をつけて!イカにはアニサキスなどの寄生虫がいる!
・アニサキス(Anisakis):線虫類
☆アニサキスの特徴
色は、半透明白色で、体長2~3センチ程度です。
魚への寄生は、主に幼虫です。
寄生場所は、内臓表面が多いのですが、サケやマスでは腹部の筋肉内に多いです。
形状は、渦巻き状ですが、半透明粘膜の袋(シスト)に入っている場合もあります。
☆人体への影響
アニサキスの幼虫は、人体の体内では通常排泄されます。
イカの刺身等生で食べたとき、まれに人体の胃や腸壁に突き刺さり、8時間以内に、ひどい腹痛があります。
吐き気、おう吐、じんましんなどの症状の場合、病院に行ってください。
☆寄生する主な魚介類
サバ・サケ・ニシン・スルメイカ・イワシ・サンマ・ホッケ・タラ・マス(なお、養殖魚にはほとんど寄生はありません。)
またアニサキス以外にも注意したい寄生虫がいます。
・ニベリニア(Nybelinia):条虫類(四吻目)
☆ニベリニアの特徴
色は、乳白色で、楕円形に近い5ミリ程度です。
テンタクラリアに似たやや小さめの幼虫です。
寄生場所は、筋肉や体腔に寄生します。
形状は、頭部にやや長めの4本の吻(筒状で出し入れ可能な固着器官)があります。
☆人体への影響
人体へは寄生ありません。
☆寄生する主な魚介類
タラ・スルメイカ
イカの寄生虫の怖いアニサキス症の治療とは?
イカの刺身等でアニサキス症の食中毒の治療は、次のように行われます。
・内視鏡による検査・診断
アニサキス症に対しては、内視鏡で体内の幼虫の存在を検査・診断します。
しかし、腸の場合、内視鏡でアニサキスの幼虫を見つけるのは難しく、エックス線や超音波検査で小腸を検査します。
また、アニサキスの抗体が血液検査で見つけられる場合もあります。
・内視鏡によるアニサキスの除去
アニサキス症に対する効果的な治療薬はなく、まだ開発もされていません。
そのため、胃アニサキス症の場合には、内視鏡で幼虫を摘出する方法がとられます。
胃で内視鏡を使うときは、胃の粘膜にいるアニサキスの幼虫を、鉗子(かんし)という器具で虫体をつまみ出します。
アニサキスの幼虫は、胃壁に頭を突っ込んでいることが多いのですが、虫体をつまみ出だせば、多くは痛みが和らいでいき治まります。
・対症療法で様子を見る
腸アニサキス症に対しては、一般的には対症療法が行われます。
アニサキスは人体の中では1週間ほどしか生きられず、摘出しなくても自然に死滅するのです。
また、腸アニサキス症は腸閉塞(ちょうへいそく)や腸穿孔(ちょうせんこう)を引き起こすことがあり、この場合、緊急な外科的手術で開腹して最悪の事態を回避します。
イカの寄生虫・・アニサキスの食中毒の予防法
☆アニサキスによる食中毒の予防は?
イカ等に寄生するアニサキスは加熱したり又凍結するとほとんど死んでしまいます。
調理をする場合、中心まで十分な加熱処理するか、中心まで完全に凍結処理(マイナス20℃で24時間以上)することが大事です。
内臓部分はけっして生で食べないでください。
魚介類を刺身等生で食べる場合には、より新鮮なもので、早期に内臓部分を取り除き、低温(4℃以下)で保存をすることが大事です。
魚を生食用に調理する場合は、アニサキスに注意を払いながら調理をすることが大事であり、とくに内臓に近い筋肉部分(ハラス)を調理する場合は、注意が必要です。
アニサキスは、傷を受けると胃や腸壁への侵入する力が極端に弱くなるので、なめろう等を作る場合は細かく刻んで調理してください。
☆保存方法で注意することは?
アニサキスは、魚介類の筋肉部分への寄生よりことも、多くは内臓部分に寄生しています。
東京都健康安全研究センターの実験報告によると、常温において魚介類を放置しておいた場合、アニサキスが筋肉部分へ移行していく傾向が分かりました。
したがって、魚を生で食べる場合にはより新鮮なものを選択し、早めに内臓部分を取り除き、低温(4℃以下)で保存することが大事です。
刺身などの他にも調理法が豊富!イカの種類について
主な「イカ」の種類には、以下のようなものがあります。
アオリイカ(水イカ):最も身近に刺身で食べているイカです。
水イカは主に刺身で食べることが多いですが、煮付け、バター焼き等でも非常に美味しいく食べれます。
コウイカ(甲いか):刺身なら、鮮度が良ければ、「水イカ」にも相当する味です。
なお、似た形をした「モンゴウイカ」というイカもいますので間違わないでください。
ヤリイカ:刺身は最高に美味しいです。
焼き、煮付け、から揚げ、どれでも美味く食べれます。
ホタルイカ:期間限定のイカです。
ボイルして酢みそで食べると絶品なイカです。
スルメイカ:低単価で販売されており、最も購入しやすいイカです。
刺身でも食べれますが、「アニサキス」がいる場合があるので加熱調理して食べるのがよいです。
剣先いか:ヤリイカ同様、刺身でも加熱でも美味しく食べれます。
大王イカ:イカの中では最も大きくなります。
水イカ、ヤリイカ、コウイカ、剣先イカ等に比べて、味は落ちますが、加熱調理でも刺身でも、どちらでも食べることが出来ます。
価格について、現在の価格順に並べてみます。
1.水イカ
2.剣先イカ
3.ヤリイカ
4.ホタルイカ
5.コウイカ
6.ダイオウイカ
7.スルメイカ
イカの体に嬉しい栄養素とは?
イカに最も多く含まれる栄養に、タウリンがあります。
タウリンは、アミノ酸の一種です。
タウリンの効果には、血圧を低くしたり、血液をきれいする等があります。
このことから、イカは高血圧やメタボ体質や血液がドロドロの方には、良い食べ物です。
タウリンは、体内でも合成されるものの、その量は少ないので、イカの刺身や「アニサキス」の寄生虫に注意して焼き、煮付け等で多く摂取することができます。
・イカのカロリーは高いのか低いのか?
イカは、比較的低カロリーの食べ物です。
日本人がよく食べるスルメイカは、100gあたり88kcalで、1杯まるごと食べても約300kcal程度です。
また富山県でよく獲れてニュースにもなるホタルイカは、100gあたり17kcalとかなり低カロリーです。
このようにイカは比較的低カロリーなので、ダイエット中の方でも安心して食べられます。
・イカに豊富に含まれるビタミンは?
イカには、ビタミンAやビタミンEが多く含まれています。
ビタミンAは疲れ目や夜盲症の予防、肌の水分保持などといった効果があります。
ビタミンEは抗酸化作用をもつので、体内が酸化されるのを防いで老化防止の効果があります。
肌の健康維持や抗酸化作用は一見ビタミンCを摂取した時に得られる効果のようにいわれていますが、イカはダイエットやメタボ対策だけでなく、美容にも効果があります。
イカなどの刺身の賞味期限は?
・賞味期限は刺身の種類によって違う!
刺身の種類による賞味期限の違いを考えながら食べると、残っても捨てずに食べれます。
種類による賞味期限の違いは次のようになっています。
大きい魚(マグロやブリなど):2~3日程度
色が変わりにくい(サーモンなど):2~3日程度
白身魚(タイやヒラメなど):1~2日程度
軟体(イカやタコなど):1~2日程度
青魚(サバやサンマなど):当日
青魚は当日に食べないとあぶないです。
刺身を食べる時は、青魚やイカ、タコを先に食べるようにするとよいでしょう。
ただし、スルメイカは、「アニサキス」の寄生虫に注意してください。
・翌日美味しく食べるには漬け込み!
食べ残った刺身を翌日まで保存するには、ラップをして保存が一般的ですが、どうしても少しずつ水分が飛び、パサパサした感じになります。
そこで、オススメは「漬け込み」です。
醤油で刺身を漬け込む方法は古くから保存方法ですが、 翌日でも美味しく食べることができます。
マグロやブリなどは醤油、酒、みりんを混ぜた調味液で、タイやヒラメなどの白身魚は昆布で、鮭などはマリネにするのが向いています。
また、マグロを昆布締めにしてもいいですし、マリネにしても美味しいですので、どのように漬け込むかはお好み次第です。
さらに、漬け込むことによって賞味期限は1~2日程度長くなり、残ったときには便利な保存方法です。
アニサキスにご用心!
いかがでしたか。
見た目にも気持ち悪いアニサキスによる食中毒って、とても怖いですね。
イカなどの魚介類を丸ごと購入した際は、速やかに内臓を取り除き、内臓を生で食べないようにして下さい。
また、アニサキスの幼虫がいるかどうか目で見てよく確認して、アニサキスによる食中毒から身を守れるようにしましょう。