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醤油の違いは古来の製造方法をアレンジメントして生まれた

      2018/02/14

醤油の違いは古来の製造方法をアレンジメントして生まれた

醤油には本醸造方式・混合醸造方式・混合方式の、主に3つの製造方法があります。

また濃口・薄口など様々な種類の醤油がありますが、これらも製造方法が異なります。

本醸造方式で濃口醤油を作る方法をベースに、これらの違いをご紹介していきます。

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本醸造方式は日本古来の醤油製造方法、原材料の役割とは

本醸造方式は、昔から用いられている伝統の方式で、現在も実に8割の蔵で採用されている製造方式です。

まずは、釜などを用いて大豆を蒸します。

そもそも大豆は、醤油の旨味となる要素です。

大豆自体に含まれるタンパク質は100gあたり34g程度ですが、旨味の75%は大豆由来のものと言われています。

蒸す目的は、大豆に含まれるタンパク質の分子を酵素分解させられるようにして、沈殿物や濁りを無くすこと、熱消毒をすることの2つです。

なお、大豆は水分を吸収し難いので、半日ほど水に浸けるか、水を吸収しやすい脱脂加工大豆を利用します。

続いて、蒸した大豆には炒った小麦を加えます。

小麦は醤油の香りの役目を果たし、タンパク質も含んでいるので、醤油の旨味成分の残り25%を担います。

小麦を炒る事も、いくつか狙いあってのことです。

摩擦熱による消毒、麹菌の恩恵を受け易くする、大豆と混ぜた時に水分の釣り合いを取るなどです。

現在の製造方法は、殆どが機械化されていますが、手作業の蔵も現存しています。

醤油は生き物。大豆と小麦に種麹を加える

蒸した大豆と、炒って砕いた小麦を同等量加えたら、種麹を混ぜて麹を作ります。

発酵食品自体、世界的に珍しいですが、種麹を使って麹・醸造食品を作る製造方法は、日本でのみ見られる技法です。

そして種麹製造メーカーは、全国に数社しかありません。

さて、種麹を混ぜる理由は酵素を得るためです。

酵素は栄養素の分解や吸収しやすくしてくれますし、タンパク質を源に、旨味となるアミノ酸を生産します。

つまり、醤油を調味料として成り立たせる重要な工程なのです。

種麹と混ぜた大豆と小麦の混合物からは、麹菌が発生します。

麹菌をたくさん培養できれば、美味しい醤油にまた一歩近づくのですが、温度にデリケートなので我が子のように面倒見る必要があります。

やがて、繁殖した麹菌から菌糸の生成が始まります。

この際、菌は呼吸によって熱を帯び、人間の体温並みの温度に達します。

これを確認したら撹拌し、俗称、一番手入れと呼んでいます。

撹拌するとお湯を冷ますのと同じように温度が下がりますが、時間の経過と共に、再び麹菌の呼吸で温度が上昇します。

美味しい醤油にするべく、再び温度管理を徹底します。

体温より少し低い温度で平衡がとれるよう、再び撹拌して温度を保ちます。

この温度を維持して40日少々保存し、その後は再び撹拌を行います。

醤油の醍醐味、諸味作りへ

こうして出来上がった麹に食塩水を加え、諸味を作っていきます。

食塩水は麹の腐食防止作用があります。

また食塩水の濃度次第で、諸味の水気や滑らかさにも影響が出ます。

酒蔵や品種によって、作り方に差が出る工程とも言えるでしょう。

昔は木樽を用いていましたが、最近ではタンクを用いるのが一般的で、半年以上貯蔵し、発酵させます。

この間、酵素が醤油の味作りをします。

大豆のタンパク質をアミノ酸に、小麦のでんぷんを糖分にそれぞれ変えるのです。

アミノ酸と糖分は醤油の味になるため、味の地盤が固まる瞬間でもあります。

さらに醤油の色は、アミノ酸と糖分の結びつき具合によって決まるのです。

ひと月ほど経つと、酵素だけでなく乳酸菌も発酵し、美味しさを作ります。

乳酸菌は意図的に加えるか、昔は蔵中を浮遊していた物が諸味に混じったり、樽の中に生きていたりするものです。

乳酸菌は糖分の一部を酸に変え、美味しさを作ります。

酵母も糖の一部をアルコールに変えて、香りや甘みを引き立たせます。

時間が経過し熟成が進むほど、味に深みが与えられるのです。

熟成の最中も適度に撹拌することで、諸味に酸素を与え、味のムラなどを防ぎ、味の質を保つのです。

蔵で櫂棒を持った職人が撹拌しているイメージをお持ちの方も多いでしょうが、現在は空気によって撹拌する製造方法が主流です。

諸味を圧搾して製品化へ。醤油の完成まで

一定の水準まで熟成させた諸味を、今度は圧搾します。

布を敷き詰め、そこに諸味を数ℓずつ入れていきます。

すると自重で液が搾り出されますが、これが生醤油で通称「生揚げしょうゆ」です。

大手メーカーでは、この後プレス機を用いて諸味に圧力をかけて、醤油を搾り出す製造方法を採用し、効率と品質を両立しています。

搾り取った生醤油は3日前後寝かせ、沈殿物や油を分離させます。

浄化された生醤油はその後、殺菌と味や見た目の調整のために火にかけられます。

消毒後は低温のろ過機を通じて清澄度を高め、商品にできる品質に仕上げます。

以降は、完成検査や品質管理を行い、商品化に向けて動きます。

パッキングをしてラベルを貼り、食卓へと向かうのです。

食卓で使用する際、酸化による味の劣化が悩みの種でした。

最近は容器が改良され、常時真空状態を保つ事で酸化を防止し、風味や味の劣化を防ぐ工夫がなされています。

この容器が使われている醤油は、通販サイトでも上位にランクインし、美味しいと評判です。

混合醸造方式は醤油に個性を与える製造方法

混合醸造方式とは、諸味に大豆のタンパク質から作られたアミノ酸液を加えることで、旨味に特色をつける製造方法です。

日本でこの方法を用いている蔵は、20%弱と言われています。

また混合方式は、このアミノ酸液を生醤油に加える方式です。

つまり本醸造醤油との違いは、アミノ酸液の有無と言えます。

アミノ酸液は添加物の一種となりますが、醤油においては添加物=悪にならない事が分かります。

先述の通り、大豆のタンパク質は醤油の旨味の源であり、そこから作り出された、言わば天然のスパイスを付加するような物です。

日本の各地に個性溢れる醤油があるのは、この配合比率も影響しています。

世界的に見ても稀なほど、日本には地域ごとに名産品があります。

混合・混合醸造方式は、それらの食材に合わせた醤油を作るべく用いられている、伝統の製造方法なのです。

醤油の種類は製造方法によって決まる

日本に流通している主な醤油は濃口・淡口・たまり・しろ・再仕込みの5種で、世界の需要増に合わせて年々生産高が増えています。

そんな醤油たちですが、製造方法が全て異なります。

厳密には、本醸造方式(濃口)の工程に「あるもの」を付加することで違いを生んでいるのです。

淡口の場合、色を淡くすべく食塩水を増やし諸味の温度を下げたりします。

最大の特徴は、甘酒を追加する事です。

食塩水を作る工程で、米から作った種麹を追加するのです。

さらにその米を糖化させ甘酒にして、諸味を圧搾する際に加えてまろみを付けます。

たまりは小麦量を少なくして作り、味噌玉麹を作ります。

発酵した諸味から滴る液汁を、汲みかけながら熟成させます。

しろは小麦主体で、大豆を少なくします。

小麦を精白して使い、製造期間が3ヶ月と短いのも特徴です。

再仕込みはもっとも工程が長く、出来上がった生醤油を再び諸味に仕込み、味わい深い醤油にするのです。

醤油は日本人の食のこだわりを具現化したもの

世界を見渡しても、ここまで一つの調味料が派生した事例は、インドのカレー粉くらいではないでしょうか。

日本人にとって醤油は生活の一部であり、食へのこだわりを体現した物と言えるでしょう。

近年は、外国人の味覚に合わせた醤油を開発するなど、美食を追求する日本人のように、美味しい醤油の開発は今後も止まる事は無いでしょう。

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