調味料の醤油にはjasマークがあるものとないものがある!?

日本人ならたいていのかたが口にする醤油。

醤油はふだん何気なく使っていますが、実はjasで定められた種類があるのです。

また、jasマークのない醤油も実はあります。

ここではjasの醤油の特性と用途、jasのない醤油はなぜ造られているかなどをご紹介します。

もしかしたら、今までの醤油に対する印象とは違ったものになるかもしれません。

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意外に知らない醤油のjas規格

醤油の規格は目・口・鼻の各感覚器官を使う官能検査と、成分で決められています。

その種類によって、その特性や旨み成分の指標である窒素分、色の濃さ、薄さなどを数値として定めたものがjas(日本農林規格)の醤油になります。

官能検査では醤油の特性である色・味・香りなどを厳しくチェックし、合格することが必要です。

官能検査は「醤油官能検査員認定試験」を合格した検査員が行います。

醤油はjas(日本農林規格)で定められた5種類があります。

実際の種類はこちらになります。

◇濃口醤油

◇薄口醤油

◇溜醤油

◇再仕込み醤油

◇白醤油

はじめて目にする醤油の種類も、もしかしたらあるかもしれませんね。

こちらの5種類の醤油それぞれが、色・味・香りの総合的な特性を持っています。

成分は5種類それぞれの全窒素分、無塩可溶性固形分、直接還元糖の分析を行い、規格値の範囲に入っていることが必要です。

また色度については「醤油の標準色」に照らして、その範囲内に入っていることが必要です。

醤油にjasマークがない!?

上記とはまた違い、jasマークのない醤油もあります。

jasマークがない醤油を見かけるのは、その醤油メーカーがjasに加盟していないからなのです。

厳しいjasの認定を受けるには、jasに加盟して加盟料が必要になります。

小さな醤油メーカーですと、加盟料が大きな負担となります。

そういったメーカーでは、品質のいい醤油を高く売るのではなく、広く消費者に使ってもらおうとしています。

そのため、販売する時に加盟料の分のコストを上乗せするのを控えているのです。

また、浮いた加盟料のコストを醤油造りにあてているメーカーもあります。

jasが設定している品質以上の醤油を自主的に造り、販売しているのです。

また、前述でご紹介した「白醤油」は、以前は大豆を使用しないで、小麦と塩を原料にしていました。

ですが、jasの認定を受けるには「大豆を使用していること」が前提になります。

昔ながらの小麦、塩だけで造られた白醤油にはjasはありません。

jas規格の濃口(こいくち)醤油

濃口は、日本人なら恐らくたいていのかたが食べたり、調理に使ったことのある、もっとも一般的な醤油になります。

購入の時、醤油の種類を意識していらっしゃらないかたは、こちらを使用されていると思います。

特徴は次のようになります。

◇大豆・小麦・塩が原料の醤油

◇日本の醤油生産量の80%以上を占める醤油

◇塩分は約16%

日本全国で製造されていますが、その製造方法やそれぞれの味覚には、地域やメーカーによって特徴が違ってきます。

用途は、つけ、かけ用としての卓上調味料に使われます。

また煮物、焼物、だし、たれなどの調理でも使われる醤油で、万能調味料といえます。

濃口醤油の麹は、大豆または脱脂加工大豆を蒸したものに、約同量の炒り小麦を砕いたものを混ぜて造ります。

脱脂加工大豆で造られたしょうゆは、大豆のたんぱく質が活かされ「香り立つキレのある風味」、「強い旨み」が特長になります。

普通の大豆を使用しているか、脱脂加工大豆を使用しているかを購入時に確認してみるのもいいですね。

江戸時代ごろから、関東を中心に発達した調味料で、香り、色、味のバランスに優れているのが特長です。

原料に丸大豆を使ったものや有機jasの認定を受けたものなど、付加価値の高い商品が続々と登場してきています。

また、濃口醤油の仲間には、塩分を抑えた減塩醤油、加熱処理をしない生醤油(きじょうゆ)などがあります。

塩分の高い淡口(うすくち)醤油

濃口の次に目にすることの多い、jas規格の醤油です。

特徴は次のようになります。

◇大豆・小麦・塩が原料の醤油

◇日本の醤油生産量の13%以上を占める醤油

◇塩分は約18~19%

醸造した食品である醤油は、発酵・熟成が進むにつれ色が濃くなり、風味が増してきます。

そのため、淡口醤油は高濃度の塩水で仕込み、発酵・熟成を抑えられています。

熟成期間も濃口醤油より短く、少し色が淡くなります。

醸造する工程で仕上げに甘酒や米麹、水あめを加える場合もあります。

淡口(うすくち)とは「淡い色」という意味で「塩分が少ない」という意味ではありません。

塩分は前述のとおり18~19%と濃口醤油より約2%ほど高いのが特徴です。

濃口よりも塩分が低いと思って使わないように、注意が必要ですね。

製造方法は濃口醤油と同じですが、淡(あわ)めの色合いと抑えられた香りが特徴で、それに合わせた調理に向いています。

用途は料理素材の魚や野菜中心の煮物、炊き込みご飯などの持ち味や色合いを活かす料理に向いています。

また淡い色と少し高い塩分を活かして、手作りドレッシングの材料にもおすすめです。

濃厚な溜(たまり)醤油

聞き慣れないかたもいらっしゃるかも知れませんが、こちらもjas規格の醤油です。

特徴は次のようになります。

◇大豆・小麦・塩が原料の醤油

◇日本の醤油生産量の2%以上を占める醤油

◇塩分は約16%

濃口や淡口は、大豆と小麦を約同量ずつ用いますが、溜醤油は少量の小麦を使用して造られます。

大豆を蒸して豆みそ玉を造り、これに麹菌を植えつけ、塩水に仕込んで約1年間熟成させて諸味(もろみ)にします。

溜醤油を造る醤油麹に、塩水を加えた諸味(もろみ)はたいへん固く、混ぜられません。

発酵・熟成させる時は、諸味の中に細長いたけかごを入れます。

このかごにたまってくる液汁を汲んでは諸味の上にかけるという、古来からの製造方法がとられています。

熟成したら、タンクの底のほうから液を抜き、そのまま製品にします。

たいへん手間がかかり高コスト、生産量も少ないので貴重な醤油になります。

溜醤油は、豊富に使用された大豆のたんぱく質から生まれる旨み成分が多いため、とろりと濃厚です。

用途は濃厚な旨みと独特の香りを活かして、刺身のつけ醤油として使われます。

また、加熱すると美しい赤みを帯びるので、煎餅やあられなどのつけ焼きによく使われます。

煮玉子に使うと、短時間煮ただけでも濃厚な溜醤油の色と旨みが染み込みますよ。

手間のかかった再仕込み(さいしこみ)醤油

なかなか目にしないめずらしい種類ですが、こちらもjas規格の醤油です。

特徴は次のようになります。

◇大豆・小麦・塩が原料の醤油

◇日本の醤油生産量の約1%以上を占める醤油

◇塩分は約16%

醤油を2度醸造するような製造方法のため「再仕込み」醤油と呼ばれます。

一般的に色が濃く、どろりと濃厚な味に仕上がります。

高コストで価格も高いことから、多くは卓上調味料として、主に刺身や寿司に使われます。

麹をタンクに仕込むとき、本来は塩水を合わせるべきところを、ほぼ同じ塩分濃度の「生揚げ(きあげ)醤油」を合わせて仕込みます。

ふつうの醤油は加熱処理します。

しかし、この生揚げ醤油と呼ばれる醤油は加熱処理がされていません。

酵素がまだ活発に活動している、生の醤油を塩水の代わりに使います。

濃口醤油よりも、材料も手間も2倍以上かかりますが、そのぶん濃い色で、とろりとして強い旨みがあるのが特徴です。

また、独特の旨みがあるので、甘露醤油とも呼ばれます。

用途は旨みを活かして刺身、冷やっこなど卓上調味料として使うのに向いています。

また、価格が高いのでお料理にたっぷり使うのに抵抗があるかたは、お料理の仕上げに少し使うのもおすすめです。

炒め物の熱を加える料理の仕上げに使うと、香りが引き立ちます。

餃子のタレを造るときに使うと、濃厚なコクが餃子の旨みによく合います。

料理の幅が広がる醤油

jasの醤油、またjasのない醤油について、ご紹介しました。

皆さんはご覧になっていかがでしたでしょうか?

醤油に対する印象が変わったり、料理によって種類を使い分けてみたくなったかたもいらっしゃるかもしれませんね。

日本の食文化とも言える醤油を、ぜひ使い分けてみてください。