豚肉のダイエットが注目されているそうです。
しかし、豚肉にはカロリーが高そうなイメージがありませんか。
お肉で言うと、鶏肉の方がダイエットに向いていそうと感じるのですが、豚肉を摂ることによって、ダイエットすることはできるのでしょうか?
豚肉は栄養価が高い食材
豚肉にはビタミンB1が牛肉と比べて約10倍と、たっぷり含まれており、豚肉のビタミンB1は熱を加えても壊れないという優れものです。
ビタミンB1は、体内の糖質をエネルギーへ変換するのに必要な栄養素であり、疲労を回復させる効能があると言われています。
健康な方や長寿の方が多い沖縄県では、1人当たりの豚肉消費量が圧倒的に他県と比べて多いとのこと。
具体的には、1人当たり13.1kg/(年間)というのが沖縄県の方の豚肉消費量で、全国平均の豚肉区消費量が1.4倍に相当するとのことです。
健康や長寿の方々が多いのは、豚肉の消費量が多いことも関係しているのではないでしょうか。
豚肉には良質なたんぱく質がたくさん含まれています。
豚肉に含まれているたんぱく質は、筋肉、皮膚、爪、臓器、髪の毛など体の様々な器官、血液などをつくる源となっています。
豚肉にはミネラルもたくさん含まれています。
血圧の低下や骨密度を高めるカリウム、貧血を防ぐ鉄分などがあります。
ビタミンやミネラルの栄養素が不足してしまうと、口内炎になったり、皮膚の炎症、食欲不振、集中力の低下、疲労感、貧血などを引き起こします。
尚、ビタミンB1はアリシンを多く含む食材(玉ねぎ、にんにく、にら、など)と摂ると、吸収率が5、6倍上がると言われています。
また、豚肉にはオレイン酸が多く含まれており、オレイン酸はコレストロールの抑制効果がある脂肪酸と言われています。
低カロリーでダイエットに向いていると期待されている食材です。
ダイエットで気にするべきカロリーとは
テレビや雑誌などで『カロリー』という言葉や文字を毎日のように見る日常となってきている傾向になりつつありますが、ダイエットをするにあたって、気にするべきカロリーがあります。
カロリーには、『摂取カロリー』と呼ばれるカロリーと、『消費カロリー』と呼ばれるカロリーの2種類があります。
『摂取カロリー』とは、食べ物が体の中に入るエネルギー(カロリー)のことです。
『消費カロリー』とは、それぞれの方が持っている基礎代謝や、運動をすることによって消費されるエネルギー(カロリー)のことで、個々それぞれによって変わってきます。
要は、自分の体の中で消費できるエネルギー(カロリー)が『消費カロリー』となります。
つまり一日の『摂取カロリー』が、『消費カロリー』を超えないようにすることが、ダイエットの鍵となります。
自分の消費できるカロリーの量を知って、摂取するカロリー量を意識していくと、体組成コントロールができるようになってきます。
脂質が高いイメージもある豚肉です。
ダイエットに適しているのか、豚肉のカロリーはどうなっているのか、次項から見ていきましょう。
豚肉の各部位のカロリー
豚肉は部位によってカロリーが違い、柔らかさも変わってきます。
大きく言うと、良く動く筋肉は赤身が多く、きめが粗くて硬いという特徴があります。
逆に、あまり運動に使わない筋肉は、きめが細かくて柔らかくなります。
豚肉の各部位、100g当たりの含有量カロリーと脂質についてまとめました。
【ヒレ/赤身】カロリー130kcal、脂質3.7g
ヒレ肉は脂肪分が少なく、最も柔らかい部位とされています。
脂肪が少ないのであっさりとしています。
【モモ/脂肪付き】カロリー183kcal、脂質10.2g
うちモモ、そとモモ、しんたまなどが含まれ、柔らかさに違いがあります。
そとモモと言われる部位は良く動く筋肉となってくるので、きめが粗くて赤身が多く、焼き豚や煮込み料理に向いているとされています。
【肩ロース/脂肪付き】カロリー253kcal、脂質19.2g
肩に位置するロース肉です。
中間的な肉質なやわらかさがあります。
【ロース/脂肪付き】カロリー263kcal、脂質19.2g
ロースは脂身を除くと、実はカロリーはヒレ肉に近くなりヘルシーです。
【バラ/脂肪付き】カロリー395kcal、脂質35.4g
バラ肉は三枚肉とも言います。
これは脂肪と肉が三つの層になっていると言う意味で、脂肪分が多く、カロリーも高くなっています。
そのため、ダイエット中にはあまりおすすめできません。
豚肉がダイエットに向いている理由
豚肉は効率よく脂肪を燃やしてくれ、糖質を代謝してくれます。
豚肉にはLカルニチンという成分が含まれます。
Lカルニチンは、脂肪の燃焼に欠かせない成分です。
本来は人間の体の中で生成されるものですが、生成量が20代前半より減少していく傾向にあります。
脂肪が効率よく燃焼するのに必要な成分が摂取できるという点で、豚肉を摂ることがダイエット効果として期待できます。
豚肉の種類を選ぶ際は、やはり脂肪分の少ない赤身のお肉を選ぶことが低カロリーにもなりベターです。
Lカルニチンは単体で摂っても、上手く機能してくれません。
上手く機能させるためには、ビタミンB群、αリポ酸、コエンザイムQ10が必要になってきます。
ただ豚肉にはビタミンB12、コエンザイムQ10も含まれていて、とても機能性のある食材とも言えます。
αリポ酸は、にんじん、ほうれん草、ブロッコリーなどの緑黄色野菜や、ジャガイモなどにも含まれいて、肉類ではレバーから摂取できます。
豚肉に含まれるそれぞれの栄養素を見ると、魅力的な様々な働きがあります。
しかし、それを活かすための栄養素もまた存在します。
せっかく摂った栄養素を活かす食材も一緒に摂り、ダイエットに上手く活用していきましょう。
長寿県!沖縄の豚料理とカロリー
沖縄では豚肉は余すところなく食べられるものとされています。
実際、沖縄で食べられている豚肉料理は、かなりの種類があります。
いなむどうち・ソーキ煮つけ・スーチカー・中味汁・ミミガー・ポーク卵・宮廷料理トンファン・豚肉のゴボウ巻き煮・チムのおつゆ・ラフテー・てびち・チムシンジ・沖縄風味噌汁・ミヌダル・ソーキ汁・ティビチ汁・ポーク卵おにぎり…。
上記に挙げただけでも17種類もあります。
料理名だけ見ても、まったくイメージが付かない豚料理もたくさんあります。
実際に、豚肉を使った料理のカロリーはどれくらいなのかというと、
●ゴーヤチャンプルー1人前 272kcal
●ミミガー1人前 150kcal
●ラフテー(豚角煮)1人前260.1g 603kcal(100gでは232kcal)
●テビチ(豚足)1本 303kcal(100gでは230kcal)
●ソーキ汁1人前(豚ばら骨肉120g分) 351kcal
となります。
ダイエットに適しているかと言えば、やはりカロリーは少ない方が良いに越したことはありませんが、豚肉には脂肪を燃焼してくれるLカルニチンがついています。
そして、現にこれらの食事を摂り入れている沖縄の方々が長寿で健康という傾向にあるということが、一番の安心材料ではないでしょうか。
豚肉ダイエットのコツ
「豚肉ダイエット」と呼ばれているダイエットがあります。
ある方法を実践した3人の女性が全員、1週間で3~4kgの減量に成功したそうです。(結果には個人差があります。)
豚肉ダイエットのコツをお伝えします。
まず、豚肉料理を食事の中心にすることです。
3食の主役を豚肉料理にして、他の食品を減らします。
夜だけ炭水化物を摂取しないようにするなどの工夫をしましょう。
また、できるだけ糖質の少ない白菜やもやしなどの葉物野菜を摂取して、野菜不足にならないようにしましょう。
お肉の種類で言うと、豚肉よりも鶏肉の方がダイエットに良さそうなイメージもあるのですが、実は、豚肉のLカルニチンは鶏肉の7倍も多く含まれているそうです。
ただ、Lカルニチンは熱に弱いという特性があるので、豚肉はさっと湯がくのが良いそうで、豚しゃぶで食べるのが1番適しているとのことです。
そして、豚肉の脂肪にはアラキドン酸という脂肪酸が含まれています。
アラキドン酸を摂ると、幸せホルモンが分泌され、満腹感を感じやすくなり、食べ過ぎが防げるとのことです。
ニンニク、キムチ、トマト、梅干し、グレープフルーツ、レモンなどを豚肉と共に摂取すると、エネルギー生産の相乗効果があります。
豚肉料理を日々の消費カロリーに組み込み、ダイエットのミカタにしましょう。
豚肉はダイエットのミカタ
カロリーが高そうなイメージの豚肉でしたが、豚肉に含まれる成分を見ると、ダイエットすることにも、体のエネルギーを作ることにも機能性がある成分がたくさん含まれた食材と言うことがわかりました。
また、豚肉の機能をさらに高める相乗効果を引き出してくれる食材もありましたね。
それらも一緒に摂取して、健康的で機能的なダイエットを取り入れていただければと思います。